<ある女性が飛行機内の乗客の行為についてSNSに投稿した体験談をきっかけに、「それは100%乗客個人の自由」「配慮は必要」など議論が巻き起こる事態に>
あるイギリス人旅行者の女性がSNSへの投稿で、空の旅で経験した不愉快な出来事について語ったことをきっかけに、機内でのマナーをめぐる議論が巻き起こっている。女性は、自分の前の席に座る客の行為が「マナー違反」だと憤慨し、その時の動画を公開したのだが、前列の客の行為が本当にマナー違反なのかどうかで意見が分かれているのだ。
【写真】飛行機内の客の行為に「大迷惑!」と動画を撮影…しかし「これはマナー違反ではない」の指摘が
シェフィールド出身のキルステン(33)は5月に入ってすぐの週末に、メキシコからイギリスへの帰国便を利用した(航空会社の名前は明かしていない)。このとき前の座席にいた男性が10時間のフライトのうち最後の数時間、何度も座席をリクライニングしてきたが、彼女によれば男性の座席は最前列で前方には十分なスペースがあったという。
「男性はイギリスに到着する約4時間前に座席を倒してきて、その2時間後にもまた座席を倒してきた」と彼女は本誌に語り、さらにこう続けた。「私は自分の後ろの座席に背の高い人が座っているのを知っていたから、自分の座席は倒さなかった」
■リクライニングの権利をめぐり反応はさまざま
さらに最悪だったのは、キルステン(名字は非公表)が追加料金を支払って足元の広い席を予約していたことだった。その恩恵は「前の座席が倒された瞬間に失われた」と彼女は述べている。
「前に座席がなくて足を伸ばせる十分なスペースがあるのに、どうしてわざわざ座席をリクライニングする必要があるのか」とキルステンは述べ、さらにこう続けた。
「しかも私は、彼が座席を倒してきたからその恩恵が奪われたが、足元の広い座席を利用するために追加料金を支払っていた。一方で彼は座席の予約に金を払うのは嫌だという理由で、追加料金を払っていないかった」
「そのことで彼が帰国便のチェックイン・カウンターで係員と口論しているのを聞いていた。私たちはちゃんとお金を払って座席を確保したのに、彼のように無作法で態度の悪い人が何の支払いもせずにもっといい席を取っていることにも苛立ちを覚えた」
キルステンは飲み物を飲みたかったことや、前の座席が倒れてきているために機内エンターテインメント用の画面が見えなかったことから、座席を元の位置に戻してくれるよう男性に丁寧に頼んだが、男性はすんなり聞き入れてはくれなかった。
「彼は文句を言ってきたが、最終的には座席を元に戻してくれたので私もお礼を言った。だがその2時間後、彼はまた乱暴に座席を倒してきた」と彼女は言う。
■「失礼なんかじゃない」「一声かけるべき」
彼女は週明けにこの出来事をTikTok上で共有することにした。「自分の前に約180センチのスペースがあるのに10時間のフライトで座席をリクライニングしてくれる無神経な人」というキャプションをつけた動画は、40万回以上視聴された。
だが動画に対する反応は彼女に同情的なものばかりではなかった。
ある人物は「言いにくいけれど教えてあげる。客室乗務員の立場から言わせてもらえば、座席はいつでも好きな時にリクライニングする権利がある。100%その人の自由。失礼なんかじゃない」とコメントした。
別の人物は「それは失礼なことではなくて普通のこと。リクライニングが失礼なことなら、そもそも座席が倒せるように設計されていないはず」と書き込んだ。
一方でキルステンに同情的な声もあった。ある人物は「ほかの人のコメントがあまりに利己的で呆れている……。リクライニングしたいなら後ろの座席の人に一言、座席を倒していいか聞けばいい」と書き込んだ。
キルステンは、座席のリクライニングが許されていることは知っているが、リクライニングする際にはほかの乗客への配慮も必要だと述べている。
アリス・ギブス