韓国時代劇の中でも特に人気のある宮廷ロマンス作品、「赤い袖先」と「恋慕」。王宮を舞台に繰り広げられる切ない愛と運命の物語にのめり込んで、心を奪われる。
赤い袖先
史実が題材の時代劇「赤い袖先(原題)」は、宮女であるソン・ドクイム(のちの後宮・宜嬪成氏=ウィビン ソンシ)と、朝鮮王朝第22代王となる正祖(チョンジョ=本名はイ・サン)の切なく狂おしいラブストーリー。
名君イ・サン役のジュノ(2PM)と、ソン・ドクイム(のちの側室、宜嬪成氏/ウィビンソンシ)役のイ・セヨン ©2021MBC
名君イ・サンとドクイムの物語は、朝鮮王朝“世紀のロマンス”とも
彼女は、名君・正祖(朝鮮王朝22代王、本名イ・サン)が最も愛した女性といわれている人物(正祖が自ら求めた妻は、王妃、側室含めてもドクイム以外はいなかったとされ、ふたりの物語は朝鮮王朝世紀のロマンスとも称される)。
ドクイムの父が、正祖の母ヘビンの実家の使用人だったことから、その縁で宮女になったらしいのですが、記録には宮女のドクイムが正祖の妹である2人の王女とともに小説を筆写したという記述が残っている模様(つまり、聡明な女性であったという推測も)。で、興味深いのは王である正祖の寵愛を受けながらも、後宮(側室)の申し入れを2度も固辞しているということ(後宮になることは当時では、ある意味、宮女にとっての最高の栄誉でもあったはずなのに)。
そして、宮女身分のまま王子を出産、その2年後に後宮の最高位である嬪(=ビン)の位を与えられる(宜嬪成氏)のですが、王子(文孝世子)がわずか3歳で亡くなると、その後を追うように3人目のアガ(赤ちゃん)を身ごもったまま33歳という若さで死去。正祖は彼女の死を深く激しく悲しんだといわれています。
恋慕
王位継承者だった双子の兄の死により、男装して世子(王の世嗣ぎ)として生きていくことになる宮女と、初恋の相手で、のちに学問の師となる男性との宮廷ロマンス。
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