世界的なスポーツブランドのアディダスがギリシャでドローンショーを実施した後、文化遺産を侮辱したということで大きな問題になっている。
【写真】アクロポリス侮辱騒動が起きたアディダスのドローンショー
17日(現地時間)、ギリシャ日刊紙イ・カシメリニなどによると、アディダスは15日夕方にアテネ中心部のザッペイオンホール上空で華やかなドローンショーを行った。
しかしこのドローンショーは撮影の角度と遠近法のせいでまるでドローンによって形象化されたアディダスの運動靴がギリシャの世界的な観光名所であるアクロポリスを踏みつけるような姿が演出された。
これに対して文化遺産に対する侮辱だという非難が提起され、アテネ検察庁は16日、アディダスのドローンショーに対して正式捜査に着手したと明らかにした。
ギリシャ文化省もアディダスが古代遺物保護法に違反したとして法的対応に出た。
リナ・メンドーニ文化長官は現地放送「スカイ・ラジオ」のインタビューで「今回のドローンショーはアクロポリスを商業的な目的で利用した」としながら「文化省の事前承認なく行われた不法行為」と指摘した。
続いて「まるでアディダスの運動靴がアクロポリスを踏みつけるように見えた」とし「責任者全員に対して訴訟を提起した」と付け加えた。
これに対してアディダス側は全く問題がないという立場だ。アディダスは「行事はザッペイオンホール敷地内だけで行われ、アクロポリスのイメージを広告には使っていない」とし「すべての必要な許可を受けた」と説明した。
実際にドローンチームはザッペイオンホール近隣上空200平方メートルを使用するために380ユーロ(約6万2000円)を納付したことが確認されたとバルカン半島専門メディア「イ・カシメリニ」は伝えた。
野党は今回の事件を巡り文化省を強く批判した。特にわずか数週間前にギリシャ出身の映画界の世界的な巨匠ヨルゴス・ランティモス監督のアクロポリス撮影許可要請を文化省が断った事例に言及し、ダブルスタンダードだと指摘した。
第一野党「急進左派連合(SYRIZA)は「この場面は我々の文化遺産の核心を侮辱的に商業化したもの」としながら「数週間前、文化省が映画撮影を許可しなかった基準はどこへ行ったのか」と非難した。
パルテノン神殿、ディオニューソス劇場など古代ギリシャ遺跡が集まっている丘「アクロポリス」は、ギリシャ観光の象徴であり国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産に登録されている世界的な名所だ。