全国各地からヤクザが集結
まさに「五月晴れ」と呼ぶにふさわしい好天に恵まれた5月15日の関東地方。じっとしていても汗ばむ陽気の中、黒スーツに黒ネクタイ姿の屈強な男たちが、日本各地から神奈川県・横浜市郊外にある暴力団・稲川会の会館に続々と詰め掛けていた。
【画像】すごい…稲川会・内堀会長が一礼して出迎えた「六代目山口組・司忍組長」恐ろしいオーラ姿
新幹線はもとより、飛行機で駆けつけた人数も加えると、その数は優に100人を超える。最寄り駅の新横浜駅には、警察の捜査員が早朝から警備に当たり、式場となる稲川会館前には40人を超える捜査員が警戒に当たっていた。
ゴールデンウィークも終わり、世の中が日常に戻りつつある中、何が行われていたのか。
「この日行われていたのは、先月21日に亡くなった稲川会・清田次郎総裁の『会葬』です。先月下旬に、清田総裁の出身母体である山川一家の本部で密葬形式の告別式が行われていますが、それは稲川会としての身内の葬儀でした。稲川会の友好団体からは、清田総裁の葬儀への参列を望む声が絶えず、それに応える形で横浜市郊外の稲川会館を会場に本葬儀という形で行われたのです」(稲川会の事情に精通しているジャーナリスト)
弔問に訪れた友好団体は関東の親睦団体から中国・四国地方の山陽道の団体や九州地方の団体、さらに沖縄まで25団体に及ぶ。そのトップが幹部を引き連れ続々と焼香に訪れたのだ。警戒に当たった警察も、神奈川県警、警視庁はじめ、埼玉県、栃木県、山梨県など関東近県はもとより、静岡県、兵庫県など広範囲に及んだ。
「警視庁は会場や駅だけでなく羽田空港にも捜査員を出しています。羽田も都内ですから。地元の神奈川県警は、約30人という大規模態勢。会場、駅はもとより要所要所に配置をしていたそうです。新横浜駅の車寄せでは、あまりの警官の多さに利用者から駅に苦情が入ったそうです」(全国紙社会部記者)
そんな超厳戒態勢で進んだ会葬の中でも、ひときわ、現場の緊張感が高まった瞬間があった。日本最大規模の暴力団・六代目山口組のトップが、会場に現れたのだ。
◆最高幹部を引き連れて登場
「開けます!」
午前10時半、野太い声が会館に響いた。その声を合図に、閉ざされていた正門の鉄扉が開く。ほどなくして2台の高級車が現れた。降り立ったのは六代目山口組の司忍組長(83)だ。
司組長は4月に若頭に就任したばかりの竹内照明(65)ら最高幹部を引き連れて歩を進めていく。会館入り口では稲川会・内堀和也会長が直々に出迎えに当たっており、来場した司組長らに一礼。そのまま内堀会長の案内で、会館へと入っていった。司組長らの滞在時間は10分ほど。焼香を終えると、帰路についた。
その後も稲川会館を訪れる来客は続いた。
「予定の出席人数をオーバーする団体も多く、最終的に百数十人になったそうです。ですが、自由焼香形式で席が決まっているわけではありません。各自会館2階の大広間に設けられた祭壇でお焼香をし、その後1階応接室に案内されて内堀会長がお茶を出して来てくれた労をねぎらう。そういう流れで順調に進み、午前10時開始で午後1時終了のはずが、予定より早くお昼12時過ぎには終わっています」(前出のジャーナリスト)
『FRIDAY GOLD』では稲川会・清田総裁が亡くなった後の渡世の行方について、「会葬」に訪れた他の有名ヤクザの写真とともに詳報している。
FRIDAYデジタル