パキスタン空軍が5月7日、中国製戦闘機J10Cを投入してインド軍のフランス製最新戦闘機ラファールを3機撃墜したことが分かり、台湾から警戒の声が上がった。インド・パキスタンの交戦で中国製兵器の実戦性能が立証され、台湾からは「どう猛な竜が鋭い爪を初めてあらわにした(猛竜首露利爪)」という評価が出て恐怖が広がっているのだ。
5月10日の台湾紙「中国時報」によると、台湾与党「民進党」の陳冠廷立法委員(国会議員に相当)は前日、「パキスタンが中国のミサイル・防空システム・指揮ネットワーク・戦闘機を連携させてラファールを撃墜したことは、台湾の安全保障に重大な示唆点を与える」とし「われわれもこの交戦を分析して脅威に備えるべき」と強調した。台湾国防安全研究院(INDSR)の舒孝煌副研究員は「中国は早期警戒機KJ500・地上レーダー・通信網を総動員し、J10Cがレーダーを作動させなくてもミサイルを発射できるようにした」と分析した。中国が、標的を探知する装備と攻撃を遂行する武器を切り離すという手法で、戦闘機が敵にさらされることを最小限に抑えつつも打撃能力は最大化した―という意味だ。
J10Cは中国空軍の主力戦闘機で、2003年から運用してきたJ10単発・多目的戦闘機の最新改良型。中長距離空対空ミサイルを搭載できるだけでなく、戦闘機の「眼」となるAESAレーダーを搭載している。メーカーの中国・成都飛機工業集団は「J10Cは最新レーダーと高級電子戦装備を有する4.5世代戦闘機で、フランスのラファールや米国のF16ブロック70などと性能は同等」とPRしてきた。中国の友邦であるパキスタンの空軍は36機のJ10Cを保有している、と中国の軍事専門メディア「軍武科技」は伝えた。
中国製防空兵器の長所は「単品性能」よりも「ネットワーク連動性」にある、という分析も出ている。中国のあらゆる軍事装備は統合データリンクで連携されており、状況認識および対応速度に優れる。実際、パキスタンの防空網はほとんど中国製で構成され、「互換性」が高いとの評価だ。中距離防空には「紅旗16A(HQ16A)」の輸出型である「猟鷹80(LY80)」を投入しており、短距離防空には「紅旗7(HQ7)」の輸出用である「FM90」を10基以上保有すると推定されている。反面、インドはフランス・ロシア・イスラエルなど複数の国の兵器システムが混在しており、有機的な連動システムを組めずにいるといわれる。