林芳正官房長官は19日午前の会見で、江藤拓農相が18日の講演で「私はコメを買ったことはない。支援者の方がたくさんくださるので、まさに売るほどある」などと発言したことについての見解を問われた。
「担当大臣としての資質が問われる」と指摘された林氏だったが、事前に江藤氏の発言報道を把握していなかったとみられ、事務方からコメントが差し込まれるまで1分以上、無言のままだった。
その間、首をひねったりしながら「少々お待ちください」と断り、事務方から紙を渡されると、「おたずねの報道は承知しておりますが、江藤大臣の発言の詳細について承知していないため、政府としてコメントすることは差し控えたい」と述べるにとどめ、そのまま会見を終えた。
佐賀新聞の報道や関係者によると、江藤氏は18日の佐賀市で行われた自民党県連の講演で、政府備蓄米をこれまで31万トン放出しながら、コメの価格が下がっていない現状について「大変責任を感じている」とした上で、「私はコメを買ったことはありません。支援者の方がたくさんくださるので、まさに売るほどある」と発言したという。
消費者は米を買いたくても買えない状況にあるにもかかわらず、担当大臣のこのような発言が表面化。今後批判が拡大するのは避けられず、石破茂首相の任命責任も問われそうだ。