トランプ米政権、NY州の風力発電施設の建設中止命令を撤回


[19日 ロイター] – トランプ米政権は、ノルウェー石油大手エクイノールが東部ニューヨーク(NY)州沖合で進めていた大規模風力発電施設「エンパイア・ウィンド」の建設中止命令を撤回した。バーガム内務長官が4月16日、バイデン前政権が発電施設の建設許可前に十分な環境分析をしなかったと主張し、建設中止を命じていたのを一転して取り下げた。

エクイノールのアンダース・オペダル最高経営責任者(CEO)は声明で「何千人もの米国の雇用を守り、米国のエネルギーインフラへの継続的な投資を可能にする解決策を見いだしてくれたトランプ大統領に感謝したい」とし、NY州のホークル知事に対しても、エンパイア・ウィンドを再び軌道に乗せるために尽力してくれたと謝意を示した。

エクイノールは先週、エンパイア・ウィンドの事業継続のために週5000万ドルを支出しており、再開できない場合には数日以内に撤退する可能性があると警告していた。

4月に建設中止命令を出した内務省にコメントを求めたものの、直ちには回答しなかった。

エンパイア・ウィンドは投資額が50億ドル規模で、稼働すれば発電容量が810メガワットと年間50万世帯に供給できる見込み。バイデン前政権下の2023年に承認され、エクイノールによると工事の進捗率は約30%となっている。

ある業界団体は建設中止命令の撤回を歓迎して「人工知能(AI)、データセンター、先端製造業によって電力需要が急増している中で、それらの全ての解決策として洋上風力は重要な役割を果たす」と訴えた。

トランプ氏は国内でのエネルギー生産を拡大すると訴えているものの、風力発電は見苦しくて高額で、野生に被害をもたらすとして対象から除外している。トランプ氏は大統領復帰初日の今年1月20日、風力発電事業の新規リースと承認を一時停止する大統領令を出した。



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