英語能力試験「TOEIC」の会場に侵入したとして、警視庁野方署は19日、中国籍で京都市左京区、京都大大学院生(27)を建造物侵入容疑で現行犯逮捕したと発表した。他人名義の学生証を持って訪れ、小型マイクも所持しており、同署は組織的なカンニング事件とみて調べている。
発表によると、容疑者は18日、東京都板橋区のTOEIC試験会場に正当な理由なく侵入した疑い。調べに「報酬目的だった」と容疑を認め、学生証は別の日に呼び出されて駅で受け取ったと説明している。
運営法人「国際ビジネスコミュニケーション協会」(中野区)から「別の名前で受験を繰り返している同じ顔の人物がいる」と相談を受け、同署が警戒していた。容疑者が他人の名前を書いた書類を受付に出し、替え玉受験が発覚した。
小型マイクはマスクの内側に隠されており、同署は、容疑者が他の受験者にマイクで解答を伝えようとしたとみている。当日、容疑者と同じ教室で受験予定だった約3割が欠席したという。容疑者とみられる人物は昨年6月以降、他人名義でTOEICを受験し、9割以上を得点していた。