【05月20日 KOREA WAVE】韓国大統領選に立候補している「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)氏が「コーヒー1杯の原価は120ウォン(約12円)」と発言し、カフェ業界から強い反発が起きている。業界関係者は「到底納得できない原価だ」とし、市場実態を無視した発言だと指摘している。
イ・ジェミョン氏は16日、全羅北道群山での遊説中に「鶏を煮込んで売っても3万ウォンの利益しか出ないが、コーヒー1杯で8000〜1万ウォン取れる。原価は120ウォンだった」と述べた。これは2019年、京畿道知事時代に「渓谷の違法営業撤去」に際し、飲食店主との交渉エピソードとして引用されたものだ。
当時使われたデータは、2011年の韓国関税庁の資料で、米国産ロブスタ種コーヒー豆10gの輸入原価が税抜き123ウォンだったという報道内容に基づくとみられる。
しかし、カフェ業界ではこれに対し、「最下級のロブスタ豆を使ってようやくその価格に届くかもしれないが、それでも120ウォンでは無理がある」と反論。ある関係者は「今や原料の価格だけでなく、最低賃金の上昇、賃貸料、配送手数料、他の原材料価格なども加味しなければならない。あまりに現実離れしている」と憤った。
FIS食品産業統計情報によれば、アラビカ種のコーヒー豆価格は2019年のトン当たり2920ドルから2025年には8340ドルへと約3倍近く上昇しており、ここに関税・運送費なども加算される。
大手カフェチェーンの担当者も「もし原価が120ウォンなら、月間利益は莫大なはずだが、実際にはカフェの高い廃業率がそれを否定している。原材料価格だけでコーヒー価格を論じるべきではない」と断じた。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News
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