大阪市東住吉区の小学校で、食器の洗浄が不適切で副菜の提供ができないなどの事案が相次ぎ、一部の児童が弁当を持参する事態になっている。20日、市議が議会の教育こども委員会で質問し、明らかになった。
市教委などによると、同校では給食の調理を請け負う業者が替わった4月から問題が相次いだ。同月3日の教職員向け試食会では、米の炊き方が悪く、「おかゆのようになっている部分とじゃりじゃりと硬い部分とがあった」という。学校側から「教員誰ひとり完食できなかったので小学生には食べられない」と指摘を受けた市教委は、業者側に改善を促したが、同月11日には、副菜の食器の一部に洗い残しや水分が確認されたため、校長の判断で副菜の提供が中止された。児童には、パンと袋入りの豆と牛乳だけが提供されたという。市教委が現場で確認したところ、食器の洗浄が不足していたり、フライヤーの使い方が分からなかったりするなどの知識不足がみられた。市教委は今月12日までに調理中の事故として計6件を認定。他校と比べて突出して多いという。
保護者から不安の声が寄せられたため、16日には緊急の保護者会が開かれた。保護者の意向を受け、19日からは校長の判断で弁当の持参も許可し、20日は57人の児童が弁当を食べた。同校の校長は「現在は調理主任が代わるなど改善され、20日のカレーライスもとてもおいしかった。信頼が回復されれば弁当の持参も減ってくるだろう」と話している。
保護者からは、業者の交代を求める声もあるが、市教委は「3年間の業務委託契約のため、慎重に検討していきたい」としている。今後、契約の履行がなされていない部分について業者に改善を文書で求めていく予定だという。(松浦祥子)
朝日新聞社