備蓄米放出も…コメの値下がりを阻む“入札制度” 専門家「制度そのものを見直すべき」【Nスタ解説】


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■江藤大臣「コメは売るほどある」 理由は宮崎弁?

井上貴博キャスター:
20日、江藤拓 農水大臣は自身の「コメを買ったことがない」との発言について次のように述べました。

江藤 農林水産大臣(20日)
「テレビのニュースはずっと見てましたし、YouTubeとかSNSを朝明るくなるまでずっと見ました。国民の皆様がいかに憤慨されてるのか、自分にとってはきついものでありました」

「(発言の理由は)宮崎ではたくさんいただくと『売るほどある』ってよく言うんですよ。ですから宮崎弁的な言い方でもあった」

■コメの値下がりを阻む入札制度

政府は令和5年度、集荷業者からコメを60kgあたり1万2829円で買い入れました。現在、そのコメを集荷業者に60kgあたり2万2477円で入札してもらう形となっています。結果、約1万円の価格差が生じているのです。

この価格差について14日、自民党の小野寺政調会長は「国が儲けてどうするんだ」と指摘しました。

コメの流通に詳しい流通経済研究所の折笠俊輔 主席研究員は「備蓄米は買い入れ時の価格ではなく、値上がりした現在の市場価格を基準に入札している」といい、このシステムである限り、値段が上がるのは仕方がないというのです。

政府が買い入れ、集荷業者が入札というシステムはある意味オークションなので、価格がどんどん上がっていくのは確かに当然ですよね。コメの価格を下げたいのに、どうなのでしょう…。

高柳光希キャスター:
そもそも備蓄米というのは、災害など有事の際にしっかり出せるようにするためのコメですよね。

井上キャスター:
まさにそうですね。「平成の米騒動」をきっかけに始まった備蓄米制度は、気象状況による供給不足や地震などの緊急時のため備えておこうというものなので、入札制度である程度、価格が変動するのは仕方がないというものです。

そのため、今回の「市場価格を下げる」「供給量を増やす」といった想定外の使い方では、コメの価格は下がりません。



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