石破首相は21日、備蓄米の売り渡しについて、政府が業者を選んで契約する随意契約を検討する考えを示した。現在入札で価格が決まっているが、売り渡し方法を見直すことで、高騰するコメの価格を抑える狙いがある。
石破首相は21日の党首討論で、「コメは3000円台でなければならない。一日でも早くその価格を実現する」とし、「(実現できなければ)責任を取っていかねばならない」と強調した。また、「増産の方向にかじを切れという主張は同意する」とも述べた。農林水産省によると、スーパーでの直近の店頭価格は5キロ・グラムあたり4000円を超え、前年同期と比べ2倍を超える高水準が続いている。
小泉農相は就任記者会見で、今月28~30日に予定されている4回目の備蓄米の入札を中止することを明らかにした。随意契約を行うため、契約条件など具体的な対応を整理するよう指示したという。
政府備蓄米の売り渡しは現在、一般競争入札で行われている。高い価格を提示した業者が順番に落札するため、価格がつり上がる一因となっていた。詳細な内容は不明だが、一般的に随意契約であれば、政府が価格などの条件を考慮して業者を任意に選ぶことができる。価格のつり上げを抑制できれば、店頭価格の引き下げにつながることが期待できる。
政府がこれまで行った3回計31万トンの備蓄米の放出では、落札価格は60キロ・グラムあたり税込み2万2477円だった。一方、政府が買い入れた価格は2023年産が1万2829円で、落札価格が1万円程度上回っている。「国がもうけてどうするんだ」(自民党の小野寺政調会長)との指摘も出ていた。