中国や朝鮮と同じではない――日本の「君主政治の伝統」は何が違うのか


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 政治学者の成沢光(なるさわあきら)も、中国の『韓非子』と『日本書紀』を比較しながら、前者の「権」は君主が「独制」「独断」すべきものとされたのに対して、後者では君主の独制・独断はむしろ排されるべき考えであって、「君民共治」し「衆論」に決することが積極的に勧められたとしています(『政治のことば 意味の歴史をめぐって』、講談社学術文庫、2012年)。

 中国では前漢の呂后(? 〜前180)、唐の武皇后(624? 〜705)、北宋の宣仁皇后(1032〜93)、清の西太后(慈禧太后。1835〜1908)などが、朝鮮では貞熹(チョンヒ)王后尹(ユン)氏(1418〜83)や貞純(チョンスン)王后金(キム)氏(1745〜1805)、神貞(ジンジョン)王后趙(チョ)氏(1809〜90)などが知られています。武皇后は中国史上で唯一、女性の皇帝(武則天)になっています。



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