安倍政権を批判していた「渡部カンコロンゴ清花氏」は、なぜ自民党から出馬しようとしたのか 本人が初めて語った“真実”


【写真】笑顔も見せた「渡部カンコロンゴ清花さん」

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――今年4月、渡部さんは次期参院選に自民党から出馬することが取り沙汰されました。それと同時期に、ご自身が設立したNPO法人「WELgee」の代表理事退任も発表されています。自民党からの出馬と代表理事退任に関係はあるのでしょうか。

 退任はここ1年半くらいかけてほかの理事やマネジャー層とディスカッションし、考えていたことです。WELgeeは2016年、私が学生のときに始まり、今年で10年目になります。迫害や紛争から逃れて日本へやってきた若者たちとの出会いが原点でした。難民認定を受ける以外に希望がない、それも認定率は1%未満という当初の状況から、それまで難民支援への関心が薄かった企業さんと組んで在留資格の変更を目指すという新たな突破口をつくれたことは大きかったと思います。私は物事を0から1にすることが得意で、その後は、1を10にするくらいまではどうにかやってきました。ただ、今後団体として10から100にインパクトを拡大させるには、自分以外が代表を担っていくこともあり得るんじゃないか。いまならバトンを渡せるんじゃないかと思い、退任する結論に行きつきました。退任を決めたのは2025年の年明けごろです。時期を同じくして、自民党から参院選出馬のお声がけをいただきましたが、擁立が決まっていたわけではありません。

――なぜ政治の世界を目指そうと決めたのですか。政治家としてやりたかったことは何ですか。

 政治を通してやりたかったことのひとつは日本の外国人政策のグランドデザインを描くことです。いま、日本には370万人超の外国人が暮らしています。公式には移民を認める「移民政策」は取っていないことになっていますが、技能実習制度やそれに代わる育成就労制度など、新たに外国人を迎える制度はどんどんつくられています。産業界の要請で人は入れるのに、「移民はいない」と言い続けるダブルスタンダードの間で、当事者の社会統合は自治体任せになりがちですし、入管職員からは混乱の声も聞きます。この国の10年後、20年後を考えた移民政策をどうデザインするか、それには政治的な意思とコミットメントが必要です。自分の専門性と経験を生かして、制度と現実とのギャップを埋めていきたいと考えていました。



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