中居正広氏と元フジテレビ女性Aアナウンサーのトラブルを端緒にしたフジテレビ問題を調査した第三者委員会が22日、中居氏の代理人から第三者委報告書に対する問題指摘や、関連証拠等の開示請求があった件で、回答書を公表した。資料の開示は、フジテレビに対する守秘義務や、証言者の信頼を損なうなどの理由を挙げ「差し控えます」とした。
【写真】中居氏の誘いの手口が記された報告書 被害女性の心情も克明に
中居氏側はトラブルがあった2023年6月2日の中居氏マンションでの出来事(※本事案)に関して、第三者委が認定した「性暴力」の用語を問題指摘し、「公正な証拠原則に基づかずに一方的に伝聞証拠等を基に事実認定しています」と指摘していた。
今回、第三者委は回答書で「本事案についての当委員会の事実認定は適切だったのか」と題して「本事案そのものについては女性Aおよび中居氏は双方に対して守秘義務があることから当委員会は中居氏及び女性Aからヒアリングを行うことができなかったため、具体的な行為態様については明らかでない部分がありました」とした。
そのうえで5項目を列挙。
「守秘義務を負う前の女性AのCX(フジテレビ)関係者への被害申告(本事案における具体性のある行動態様が含まれる)」
「女性Aに生じた心身の症状(本事案直後から重篤な症状が発生して入院に至りPTSDと診断された)」
「本事案前後の女性Aと中居氏とのショートメールでのやり取り(本事案における具体性のある行為態様及び女性Aの認識が含まれる。なお中居氏は女性Aとのショートメールでのやり取りは削除済みと述べた)」
「CX関係者間の報告内容、関係者のヒアリング、客観資料、CX関係者からの被害申告に関するヒアリング結果、両者の守秘義務解除要請に対する態度(女性Aは当委員会に対する全面的な守秘義務解除に同意したが、中居氏は守秘義務の解除に応じなかった)」 「女性Aと中居氏の当委員会のヒアリングにおける証言内容・証言態度」
これらを基に「日本弁護士連合会『企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン』に基づき、各種証拠を十分に吟味して自由心証により事実認定を行いました」としている。
また「貴職らは、伝聞証拠等に基づいて事実認定したことを問題視されているようですが、例えばセクシャルハラスメントやパワーハラスメントの事案においては、ハラスメントの具体的な行為様態を直接に証明する客観的証拠が存在しないことが多く、その場合に行為の前後の客観的状況や関係者の供述証拠ないし伝聞証拠に基づいて間接事実を積み上げて事実認定することは調査実務において一般的なことであり、自由心証による事実認定の手法として合理性があることから、当委員会の事実認定は適切であったと考えております」とした。