神奈川県の黒岩祐治知事は23日、日産自動車のイバン・エスピノーサ社長と同日に面会し、追浜工場(横須賀市)と子会社「日産車体」湘南工場(平塚市)の閉鎖検討について、取りやめを要求したことを明らかにした。エスピノーサ社長は「決まっていない」との説明にとどめる一方、今後は地元自治体と情報共有していく考えを示したという。
面会は日産側から持ちかけられ、県庁内で約20分間実施した。
黒岩知事によると、面会では2工場の閉鎖検討について「県民が大変不安に思っている」と懸念を伝えた上で、「取りやめてもらえないか。それが無理ならば被害を最小限に抑える努力をしてもらいたい」と要求。さらに工場が立地する自治体などと意見交換や情報共有できる会議体の設置を求めた。
エスピノーサ社長は「まだ何も決まっていない。構造改革のスケジュールは5月中には見えてくる。その時は情報交換したい」という返事だったという。【蓬田正志】