トランプ米大統領が南アフリカとの首脳会談で公開した白人殺害を呼びかけているとされる画像が同国と全く無関係なものであることが分かった。ロイター通信が撮影したコンゴ民主共和国(旧ザイール)の画像だったと同社が22日、報じた。
問題の画像はトランプ氏が21日、ホワイトハウスで南アのラマポーザ大統領と会談した際に公開された。難民認定した南アの白人受け入れを進めるトランプ氏は「南アでは悪いことが多く起きている」と主張。南アの集会で野党指導者が白人殺害を呼びかけているとされる映像などを公開し、白人に対する迫害が起きていると持論を展開した。
ロイター通信は会談後、ファクトチェックした。その結果、同社が2月にコンゴ東部のゴマで、隣国ルワンダが支援する反政府勢力との戦闘後に遺体袋を運ぶ人道支援団体を撮影したものだと分かったという。
この動画は保守系のメディアに投稿されていた。ロイター通信によると、このメディアの担当者は「トランプ氏の誤認だ」と取材に回答したという。
首脳会談でラマポーザ氏は「これはどこで起きたと聞いているのか」と問いただし、トランプ氏の主張を否定していた。