中国国営放送の中国中央テレビ(CCTV)のキャスターが台湾のニュースを伝える際、「祖国」を「両国」と誤って発音するというミスを犯した。インターネット上では「近くニュースから彼女の姿が消えるだろう」との懸念も出ている。
香港紙「星島日報」などが21日、報じた。それによると、問題は20日に放送された番組『共同関注』で起きた。台湾の賴清徳総統の就任1周年記者会見に対する中国国務院台湾事務弁公室側の立場を伝えている時だった。
もとの文章には「台湾の指導者が何をどう話したとしても、台湾が中国の一部だという地位と事実は変わらない。祖国が最終的に統一されるということも阻止することはできない」と書かれていた。ところが、原稿を読んでいた女性キャスターは「祖国」を二つの国という意味の「両国」と呼んでしまったのだ。
自身のミスに気付いたキャスターは、口ごもりながらも即座に「祖国」と言い直した。しかし、この言い間違いの影響か、その後ニュースの進行スピードが目に見えて遅くなり、目つきも不安そうだった。このニュースの映像は現在、CCTVの公式サイトには掲載されていないようだ。
キャスターのミスは台湾メディアでも大きく報じられ、現地ネットでも話題を集めた。ネットでは「この一度のミスでキャスターはニュースチャンネルから姿を消すことになるだろう」「人生終わったかもしれない」などと心配する声が上がった。一部では「キャスターだけじゃなくて上層部も処罰されるんじゃないか」などの声もあった。
実際に、元CCTVのキャスターはかつてインタビューで、CCTVが夕方の主要ニュース番組での「事故」をA・B・C・Dの4段階に分けており、A級のミスを犯した場合は即座に辞職しなければならないと述べていた。これまでに明かされているA級のミスとしては、「海峡西岸」を「台湾海峡両岸(中国と台湾)」と言い間違えたケースがある。
ムン・ジヨン記者