神奈川県の鎌倉市立山崎小学校で給食運搬用エレベーターが故障し、保護者や地域住民が階段を上り下りして給食を教室まで運び上げている。ようやく修理のメドが立ち、1か月半近く協力してきた保護者らからは安堵(あんど)の声が上がっている。
各学年3クラスと支援学級2クラスの計20クラスで、児童数581人の同小。1階の給食室から食器と料理を積んだワゴンを運び上げるエレベーターが故障したのは3月中旬。市教育委員会によると、二重構造の扉のうち、中扉を完全に閉めないまま外扉を閉めて作動させた調理業者の操作ミスで、一部の部品が壊れたという。
3月中は調理員と教職員で給食を運搬。新年度に新たな調理業者に変更したが、委託契約にない運搬の協力が得られず、学校側が地域住民や保護者に依頼し、1日5~10人が集まって対応してきた。1クラス分のおかずが入った鍋などを、2階~4階にある教室まで、階段を上って運び上げていたという。
壊れた部品はメーカーに発注し、29日の修理が決まった。長引いたボランティア作業に、ある保護者は「暑くなる前に終わりそうでよかった」と胸をなで下ろす。市教委学務課は「保護者や地域の方々には感謝しかない。エレベーターは全16小にあり、調理業者にはミス防止の徹底、メンテナンス業者には部品の確保をお願いしたい」としている。