39年ぶり「衆参ダブル選挙」は“政権交代のチャンス”、それでも立憲民主党が尻込みする悩ましい事情


 衆参ダブル選となれば、1986年の中曽根康弘政権でのいわゆる「死んだふり解散」以来、39年ぶりの出来事になる。そのときは自民党が衆参で大勝し、中曽根政権の任期1年延長につながった。

 その場合、結果次第では現在の自公連立という政権の枠組みが崩壊し、野党連立あるいは与野党大連立による新政権誕生につながる事態も想定される。もちろん、石破首相は政権の座を追われ、自民党の下野で次期自民党総裁が野党第1党の党首となる可能性も否定できない。

 ただ、ダブル選となれば、野党各党の選挙共闘の可否が勝敗に大きな影響を及ぼす。

 現状では、野党各党は自党の議席拡大を最優先にせざるをえない。多くの選挙区で「野党候補競合」となれば、強固な組織を持つ自公両党が、漁夫の利で政権維持に必要な議席を確保し、結果的に“元の木阿弥”となることも想定される。

 だからこそ、立憲民主党の野田佳彦代表は「総合的に判断」と、なお慎重な構えを崩さない。一方で「立憲民主党が『不信任勝負』を避ければ、政権交代を望む有権者の支持を失う」(政治ジャーナリスト)ことは必至。次期参院選での立憲敗北にもつながりかねないため、野田氏の悩みは深まるばかりだ。

 これに対して、野田氏は23日の会見で「ご高説を参考にさせていただく」などと苦笑交じりで交わした。国民民主党の玉木雄一郎代表はこれに先立つ20日の会見で、「(不信任案提出なら)厳しい態度で臨む」と賛成する考えを示した。



Source link