ホアキン・フェニックスなど著名俳優ら、ガザ虐殺めぐる映画界の沈黙を非難。「芸術が共犯者となることを拒否しよう」


イスラエルによるガザへの攻撃が続き多数の民間人が殺害される中、ハリウッドの著名俳優ら約400人が連名で、ジェノサイドに対する映画業界の沈黙を非難する書簡を発表した。Varietyなどが報じた。

書簡は、カンヌ国際映画祭(フランス)の5月13日の開幕に合わせて公開された。リチャード・ギアさん、スーザン・サランドンさん、マーク・ラファロさん、マイケル・ムーアさん、ホアキン・フェニックスさんなど、世界的な著名俳優や映画監督らが名を連ねている。

Deadlineによると、書簡のタイトルは「カンヌで、ガザの恐怖を沈黙させてはならない」。冒頭では、ドキュメンタリー映画「Put Your Soul in Your Hand and Walk」の主人公でフォトジャーナリストのファティマ・ハスナさん(25歳)がイスラエル軍に殺害されたことに言及。「イスラエル軍は民間人を標的にしている」と非難した。

ハスナさんは4月、カンヌ映画祭での上映が発表された直後にイスラエル軍の空爆に遭い、命を奪われた。

書簡では続けて、映画「ノー・アザー・ランド」でアカデミー賞を受賞したパレスチナ人監督ハムダン・バラールさんが3月にイスラエル人入植者から暴行を受けた後、軍に連行された事件にも言及した。

アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、バラールさんを支援せずに会員たちから批判を受けた後、謝罪した経緯に触れ、「私たちはそのような受け身の姿勢を恥じています」とつづっている。

「社会的に意義のある作品が生まれる場であるはずの映画界が、現実の恐怖や、同胞が受けている抑圧に、なぜこれほどまでに無関心であるように見えるのでしょうか」

「芸術家や文化の担い手として、ガザでジェノサイドが起き、言葉にできないほどのニュースが私たちのコミュニティを深く傷つけている中、沈黙を続けるわけにはいきません。

歴史から教訓を引き出し、信念を持って映画をつくることがこの職業の意義でないのなら、そして抑圧された声を守るために存在しないのなら、私たちの職業にはいったい何の意味があるのでしょうか?」

さらに、植民地主義、反トランスジェンダー・反LGBTQや人種差別などの動きが各地に広がり、出版や映画、大学を攻撃しているとして、「私たちには闘う義務がある」「我々の芸術が、最悪の事態の共犯者となることを拒否しましょう」と呼びかけた。

その上で「ファティマのために、そして無関心のうちに死んでいくすべての人々のために。映画にはメッセージを伝え、社会を反映する義務がある。手遅れになる前に行動しよう」と締め括った。

Varietyは、書簡全文と賛同者一覧を掲載している。



Source link