ロシア、トランプ氏は「感情的」と プーチン氏を「狂った」と非難したことを受け


トランプ氏は25日、ロシアが24日夜から25日にかけ、ドローン(無人機)298機とミサイル69発でウクライナを攻撃したと伝えられた後、自身のソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに、「(プーチン氏に)何かが起こった」、「彼は全く狂ってしまった」、「不必要に多くの人を殺している」と投稿した。

この夜間攻撃では、少なくとも13人が殺害され、数十人がけがを負ったとされる。ロシアが2022年2月にウクライナ全面侵攻を開始して以降で最大規模の空からの攻撃とされる。

トランプ氏のこうした発信について、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は26日、「関係者全員の感情の過負荷に関係している」と評した。

ペスコフ氏はまた、ウクライナがロシアの「社会インフラ」を攻撃したことへの対応として、今回の攻撃を実施したと説明した。

ロシア国防省は、国内のいくつかの州の上空で防空システムが、ウクライナのドローン20機を破壊したとした。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は25日、ロシアによる空爆について、「軍事的な意味」はないと主張。「明白な政治的選択であり、(中略)それはプーチン、ロシアによる選択だ。(中略)戦争を続け、生命を破壊することを示すものだ」とした。

■独首相がミサイル制限を解除

こうしたなか、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は26日、ウクライナに供給している兵器について、使用範囲の制限は「もはやない」と述べた。ロシアによる週末の攻撃を受けた発言とみられる。

メルツ氏は、「ウクライナは自国を防衛するために、たとえばロシアの軍事拠点を攻撃することができるようになったということだ。(中略)ごく一部、例外はある。最近までは、そうしたことはできなかった。今はできる」と述べた。

ドイツは長距離巡航ミサイル「タウルス」をウクライナに供与する見通しだと報じられている。ドイツの前政権は供与を拒んでいた。

タウルスの射程距離は約500キロメートルで、他の友好国が供給しているミサイルをはるかに上回る。ロシアはこの兵器の供給を「危険な動き」だとしている。

ロイター通信は、ゼレンスキー氏が28日にベルリンを訪れる予定だと報じているが、この情報は確認されていない。

ウクライナに供与する兵器をめぐっては、イギリスは昨年、防衛のためにどのように使うかはウクライナに決定権があるとした。アメリカは昨年11月、ジョー・バイデン大統領(当時)がウクライナに、長距離ミサイルをロシア国内への攻撃に使うことを制限付きながら許可した。

トランプ氏は25日、ニュージャージー州で記者団に応じ、プーチン氏とは「長いつきあいで、いつもうまくやってきた。だが、彼は(ウクライナの)街にロケット弾を撃ち込み、人々を殺している。まったく気に食わない」と語った。

アメリカの対ロシア制裁の強化を検討しているのかと問われると、トランプ氏は「もちろんだ」と答えた。トランプ氏はかねてから、このような脅しを繰り返している。しかし、これまでのところ、ロシア政府に対して何らかの制限を実施してはいない。

トランプ氏はそれから間もなく、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、プーチン氏は「完全に狂ってしまった」と投稿した。

「私はいつも、(プーチン氏が)ウクライナの一部ではなく全てを欲しがっていると言ってきた。それが正しいということが、証明されつつあるのかもしれない。だが、もし彼がそんなことをすれば、ロシアの破滅につながる!」ともトランプ氏は書いた。

一方でトランプ氏は、ゼレンスキー氏に対しても、「彼(ゼレンスキー氏の)話し方は、自国のためにならない」と批判。「彼の口から発せられるすべてが、問題を引き起こす。それが気に食わない。そういうのはやめるべきだ」と、トランプ氏はゼレンスキー氏について書いた。

ウクライナの欧州の同盟国は、対ロシア追加制裁を準備している。しかしながら、アメリカは、和平交渉の仲介を継続するか、進展がなければ仲介の取り組みから手を引くかのどちらかだとしている。

クレムリンのペスコフ報道官は26日、この和平交渉の開始について、ロシアは米国民と「個人的にトランプ大統領に」対して「心から感謝している」と述べた。

トランプ氏とプーチン氏は先週、2時間にわたって電話をし、アメリカが提案した停戦合意について協議した。

16日には、トルコ・イスタンブールで、ウクライナとロシアの直接協議が行われた。この直接協議で合意・実現した、兵士および民間人の大規模な身柄交換、戦闘停止に向けた進展はほとんどない。

(英語記事 Kremlin calls Trump ’emotional’ after US president says Putin is ‘crazy’)

(c) BBC News



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