運送事業者向け軽油販売で価格カルテルか 公取委が6社に立ち入り


【表でわかる】ガソリン、いまは1リットルいくら?

 関係者によると、立ち入り先は、東日本宇佐美(東京都文京区)▽ENEOSウイング(名古屋市)▽三菱商事系の太陽鉱油(東京都中央区)▽伊藤忠商事系のエネクスフリート(大阪市)▽キタセキ(宮城県岩沼市)▽吉田石油店(香川県三豊市)――の6社。

 6社は遅くとも2019年以降、神奈川県内の運送事業者向けの軽油販売価格について、各社の営業責任者らが月に1回程度、会合や電話連絡などで情報を持ち寄り、翌月の1リットル当たりの価格を引き上げたり、維持したりするなどの調整をしていた疑いがある。

 6社はそれぞれ「フリートSS(サービスステーション)」と呼ばれ、法人契約者向けにネットワーク化されたガソリンスタンドを展開。顧客のトラックなどに大量の軽油を供給している。神奈川県内の運送事業者は数千社とされ、法人向け軽油販売の市場規模は年間約1000億円に上るという。

 政府はガソリンや軽油の価格高騰を抑えるため、石油元売りに補助金を支給するなどの対策を講じてきた。公取委は、価格カルテルが政府の物価高対策の効果を阻害し、物流コストの上昇にもつながる恐れがあるとみている模様だ。

 立ち入り検査を受けて東日本宇佐美は「調査にはしっかりと協力する」、ENEOSウイングは「詳細はまだ分かっていないが、真摯(しんし)に対応する」とそれぞれコメントした。【山田豊】



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