日本の地方銀行「中国銀行」の名前に対し、中国の外交官がSNSで批判を展開し、波紋を広げています。銀行側は困惑しています。
■中国人観光客「私は困りません」
「多くの中国人観光客が、日本の地方銀行を我が国の『中国銀行』と勘違いしているようです。知名度に便乗している詐欺と誰も思わないのでしょうか?」
これは、パキスタンに駐在する中国の張和清外交官が自身のSNSに投稿した文章です。
岡山市に本店を置く日本の地方銀行「中国銀行」が、北京に本店を置く国有の「中国銀行」と同じ名前であることに不満を漏らしました。
投稿には、日本の中国銀行が店に張り出した注意書きの写真が添付されていました。
日本「中国銀行」の注意書き
「当銀行は日本の銀行です。本社は日本の岡山にあります。当行と中華人民共和国の中国銀行、これらは2つの異なる銀行です」
張り出したのは、神戸市の中華街・南京町近くにある神戸支店です。
都内にある支店には、区別するためか「本店 岡山市」と書かれています。
中国人観光客に話を聞きました。
「(Q.名前の同じ銀行は困りますか?)私は困りません」
「ロゴマークがありますので、銀行を間違えることはないと思います。この中国の外交官については知りませんが、このような文章を発信することで、争いを引き起こそうとしているのかもしれません」
日本の中国銀行は、1990年に「国」の文字を旧字体から新字体に改めた名前に変更しました。
日本の中国銀行の担当者
「間違えて来店した方にはリーフレットを配り、注意を呼び掛けています。なぜ今、こういった内容を投稿されたのか分かりませんが、知名度の利用や詐欺といった認識は一切ありません」
今回の投稿について専門家は、最近まで中国で採用されていた好戦的な外交スタイル「戦狼外交」の影響が背景にあると分析します。
東京財団 政策研究所 柯隆主席研究員
「少し前まで『戦狼外交』が台頭していた時、中国国内のナショナリズムの台頭に忖度(そんたく)して、いろいろ問題発言する外交官が結構いたが、トランプ関税戦争が勃発して、中国とアメリカとの対立がまだ終わってないなかでこういう発言をしていて、日中関係に少しでもブレーキがかかることになると、北京(中国政府)にとっても迷惑だと思う」
(「グッド!モーニング」2025年5月28日放送分より)
テレビ朝日