コロナ禍にミシンを始めたという『キングオブコント2024』王者・ラブレターズの塚本直毅。Youtubeチャンネル「塚本ミシン」を開設し、洋服のリメイクや芸人仲間の舞台衣装の製作などを行っている。この活動のスタートには、ある先輩芸人の存在が大きいと言うが……。ミシンがつないだ数々のアツい出会いを紹介しよう。※本稿は、塚本直毅『コントとミシン』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
● 「塚本ミシン」の生みの親は 先輩芸人・飛永さん
ひょんなことからミシンを始めたわけだが、当初から今現在を見通してスタートしたわけではなかった。
「塚本ミシン」の活動においては「ラバーガール」飛永さん(編集部注:プロダクション人力舎所属のお笑いコンビ・ラバーガールのツッコミ担当)の助言がとても大きい。
ライブで一緒になって十数年、飛永さんはいつもラブレターズのことを気にかけてくれる先輩で、僕は同郷でお酒が飲めないという共通点もあり、日常的にごはんを食べ、お茶をさせてもらっている。飛永さんと話していると、すっと心が落ち着くので、芸人活動においても救われているのだ。
「相方のコロナ療養中に時間ができたんで、ミシンを始めたんですよ」
いつものようにお茶をしているとき、急にミシンを買って10日間で30着以上のTシャツをリサイズした、という話をすると、飛永さんは「それはいいね」と返してくれた。
そのリアクションを受けた僕は「飛永さんにほめてもらえた!よし、これでゴール!」という感覚になり、ミシン生活もおしまいかな、と考えたのだが、そこから飛永さんは「いや、それ絶対に続けたほうがいいよ」と言い「続けるなら名前があったほうがいいんじゃない?」「塚本ミシンでいいじゃん(笑)」「ロゴもオレ作るからさ」「ユーチューブも始めちゃいなよ」「編集はオレやるからさ」と、矢継ぎ早に提案してくれた。