ちょっとしたことで怒ったり、不機嫌になってしまうということはありませんか。いつも穏やかで機嫌よくいられれば、毎日を楽しく過ごせ、仕事も人間関係もスムーズにいくもの。上機嫌でいるための秘訣、腹が立った時の対処法、腹を立てないようにするコツを、日常生活、行動心理、メンタル、思考法など、さまざまな面から集めた、川嵜昌子さん編著の『「機嫌よくいられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。』(青春出版社)から、一部抜粋してご紹介します。
● 機嫌よくいられる人は「すみません」ではなく、 「ありがとう」とよく口にする
毎日、機嫌よく過ごしている人は、不機嫌なことの多い人よりも、「ありがとう」という感謝の言葉をよく口にしている。
たとえば、閉まりかけたエレベーターに飛び込んだとき、先に乗っていた人が「開」のボタンを押してくれた。あるいは、両手に荷物を持っていて、手がふさがっているとき、近くにいる人がドアを開けてくれた。
こういった場合、相手にかける言葉は「すみません」と「ありがとう」のどちらかだろう。自分なら、どう言われたらうれしいのか。そう考えたら、これらのシーンで選ぶべきなのは「ありがとう」だ。
「すみません」という言葉には、お手をわずらわせてしまって……といった思いも含まれている。純粋な感謝の気持ちだけではないので、言われたほうも、とくにうれしくなるわけではない。
基本的には謝罪の言葉なので、人によっては、「あれ? 謝らせるようなことをしてしまったのかな」とマイナスの気分になるかもしれない。
一方、「ありがとう」はシンプルな感謝の言葉。言われただけで気分がよくなる、魔法のような言葉でもある。
ギリギリで飛び込んできてちょっと迷惑だな、とエレベーターの「開」のボタンを押してくれた人が内心では思っていたとしても、「ありがとう」と言われたら、「あ、いいことをしたみたいだな」とうれしくなるものだ。
相手の気分がよくなれば、自然と自分も上機嫌になる。「ありがとう」を1日20回以上言う人は、まったく言わない人と比べて、幸福度が1.5倍以上高いという調査もあるほどだ。
これからは「ありがとう」を口グセにしてみてはどうだろう。しかも、「ありがとう」と言われた人からは、こちらに対する好感度がアップする。人間関係が円滑になって、笑顔を絶やさず過ごせるようになるだろう
● ペン、スマホ、コーヒーカップ。 手近なものを観察すると怒りがふくらまない!
仕事に集中したいのに、あの嫌味な顔が目に浮かぶ。あるいは、プライベートの時間を平和に過ごしたいのに、どうにもイライラが止まらない。こんなふうに、怒りの感情にとらわれて、頭のなかがいっぱいになることはないだろうか。
こういった怒りが長引くことで、いまこのときがないがしろにされている。過ぎ去ったはずの過去のイヤな出来事から抜け出せない。さらに、このままでは済まさない、報復してやるといった未来への暗い思いにもとらわれてしまう。
怒りの感情が生まれても、それに振り回されることなく、上手にコントロールできる人は、過去や未来よりも現在に集中する。
とはいっても、ただ「集中、集中……」と心のなかで唱えても、なかなかできるものではない。そこで、目の前にある何かを利用するのだ。
ムカムカした気分が抜けないとき、ペンや鉛筆、マーカーなどを持っているのなら、それに意識を集中してしっかり観察する。
ペンなら、材質はプラスチックか合金か、何色なのか、光沢はあるか、傷はついていないか、傷があった場合は深いのか、浅いのか、いくつあるのか、手触りはすべすべか、それとも手に吸いつくような感触か、インクは十分残っているか、どこのメーカーの商品か、商品名は何か、ロゴはついているか、ペン先の太さは何ミリか、書いた文字や数字はかすれていないか。