カンボジアの特殊詐欺拠点が摘発された事件。取材を進めると、カンボジアにはいくつもの詐欺拠点が存在し、各国から集められた人が詐欺に加担している実情が見えてきました。詐欺への加担を強要されたという女性が壮絶な体験を語りました。
【画像】被害女性「監禁されベッドに手錠で…」市内に約30カ所か…カンボジア詐欺拠点を摘発
拠点の内部事情を知る人
「働く部屋と寝泊まりする部屋は別だった。韓国人と日本人がいた。彼らは(オンラインで)ギャンブルに没頭していたらしい」
カンボジアでの詐欺に誘い込む手口は「大手求人サイトを通じてアルバイトを募集する形で行っていた」との証言も明らかになりました。
カンボジアのポイペトにはいくつもの犯罪組織が点在し、多くの外国人が詐欺行為を強要されています。建物に閉じ込められ、特殊詐欺に加担させられていたタイ人の女性に話を聞くことができました。
ポイペトの詐欺拠点にいたタイ人女性
「恐らく200〜300人いたと思う。とても大きな場所でしたから」
その拠点は、暴力で支配されていたといいます。
ポイペトの詐欺拠点にいたタイ人女性
「足を棒でたたかれて監禁された。寝る時には金属製の二段ベッドに手錠でつながれた。怖かった。家に帰りたくてずっと泣いていた」
別の被害女性によると…。
ポイペトの詐欺拠点にいたタイ人女性
「私たちを管理していたのはカンボジア人だったが、ボスは中国人だった」
今回、日本人が摘発された拠点を管理していたのも中国人だったという証言があります。
拠点はこんな風に呼ばれていました。
タイの支援団体代表 ジンマンカ氏
「建物が7〜8棟あり、地元住民からは“釣り場”と呼ばれている。そこで詐欺が行われているようだ」
犯罪組織から保護された人を支援する団体の代表は、今のポイペトの状況をこう読み解きます。
タイの支援団体代表 ジンマンカ氏
「(ミャンマーの)取り締まりによって、静かだったポイペトに犯罪組織が移った。一部の拠点が閉鎖されたように見えても、詐欺は別の場所に移り、より秘密裏に行われる。ポイペトには主な詐欺拠点が30カ所はあるだろう」
テレビ朝日