トランプ米大統領は30日、自らの交流サイト(SNS)に「中国は米国との合意を完全に破った」と投稿した。具体的に何を指しているのかは明らかにしていない。米中両政府は5月中旬、双方が大幅に関税を引き下げることで合意したが、再び対立が激化する可能性もある。
トランプ氏はSNSで「取引により全てが安定し、中国は通常通りのビジネスに戻った。悪いニュースは、中国が米国との合意を完全に破ったことだ」と投稿。「善人でいるのは終わりだ!」と付け加えた。ただ、トランプ氏はその後、ホワイトハウスで記者団に「私は習近平国家主席と話をすることになると思う。うまくいけば良いと願っている」とも述べている。
米中両政府はスイスで10~11日に閣僚級協議を開き、米国は145%の対中関税を30%に、中国は125%の対米関税を10%にそれぞれ引き下げることで合意した。米製品の購入拡大を求める米国と、関税のさらなる引き下げを求める中国が協議を継続することでも一致したが、ベッセント米財務長官は29日、米メディアのインタビューで中国との協議は「少し行き詰まっている」と述べ、交渉が停滞しているとの認識を示していた。【ワシントン大久保渉】