(CNN) 米国のトランプ大統領による複数の政府機関での大量解雇に関する大統領令について、連邦控訴裁判所は30日夕、これを保留する判断を下した。
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トランプ政権は第9巡回区控訴裁判所に対し、10以上の省庁での解雇を停止した下級裁判所の命令を凍結するよう求めていた。
控訴裁の新たな判断は、連邦政府の大幅な縮小を目指すトランプ氏にとって大きな後退となる。これに先駆けスーザン・イルストン連邦地裁判事は、議会の承認なしにトランプ氏が連邦政府機関の大幅な刷新を行うことはできないと裁定していた。
今回、控訴裁は2対1の意見で、この訴訟で争点となっている大統領令について「憲法の下での大統領の監督権をはるかに超えている」と述べた。
トランプ氏はすでに一度、連邦最高裁に対してこの件への介入を要請しているが、訴訟は最終的に最高裁へ持ち込まれる公算が大きい。
ホワイトハウスのフィールズ報道官はCNNへの声明で「一人の判事が憲法に反して、行政府から雇用と解雇の権限を奪おうとしている。大統領には行政府全体の権力を行使する権限が与えられている。奇特な地裁の裁判官が、大統領の政策課題を阻止するために司法府全体の権力を乱用することはできない」と主張。政権はこの命令に対抗すると付け加えた。
この裁判は連邦職員組合、地方自治体、外部団体によって起こされた。彼らは連邦政府の徹底的な再編を命じた2月の大統領令と、トランプ氏の政策を実施するために人事管理局(OPM)と行政管理予算局(OMB)が出した指令に異議を唱えている。