【ワシントン=坂本一之】米ニュースサイト「アクシオス」は5月31日、トランプ政権が中国人留学生の査証(ビザ)取り消しを決めたのは、中国が合意したレアアース(希土類)などの輸出規制解除を完全に履行しないことにルビオ国務長官が「激怒」したためだと報じた。中国が世界で大きなシェアを握るレアアースは、通信機器や戦闘機などの製造に必要な重要物資で、両国の対立が高まる可能性がある。
報道によると、中国は対中関税に対抗してサマリウムやガドリニウムなど7種類の鉱物を対象に米国への輸出規制を実施。両国は互いの関税引き下げを決めた5月中旬の貿易協議で、中国がレアアース規制を解除することでも合意したが、中国は履行していないという。トランプ政権は、中国が「関税交渉の手段として供給を制限している」と判断したという。