【解説】モスクワ“空の封鎖”相次ぐ…ウクライナ軍の狙いは


■華々しい戦勝記念日の裏で…モスクワの空港は麻痺

しかしその直前、モスクワにある複数の主要空港は、未曽有の大混乱に陥っていた。ウクライナ軍の無人機攻撃が連日続き、空港の一時閉鎖が相次いだのだ。ロシア旅行業者協会によると、5月6日から7日にかけ少なくとも350の便、6万人以上が影響を受けたという。攻撃は連日続き、飛行機に数時間、閉じ込められたり、空港泊を余儀なくされたりする乗客が続出した。

■ウクライナ軍の“空の攻勢”は続く

ロシアの独立系メディアによると、5月27日から28日にかけ、ロシア領空では296機のウクライナ軍の無人機が迎撃された。モスクワの主要空港は一時閉鎖し、100便以上が遅延したという。

5月20日から27日までの1週間で1400機以上が迎撃されていて、ロシア国防省は無人機攻撃の激化に警戒感を強めている。こうした中、モスクワの空港の一時閉鎖は、もはや日常茶飯事といった状況になりつつある。

■ウクライナ軍の狙いは…戦争が“自分事”に

一方で、空港の麻痺(まひ)で混乱を引き起こし、普段は戦争を意識しないロシア国民に“心理的圧力”を加える狙いもあるとみられる。効果は限定的かもしれないが、少なくともこの5月の空港の混乱ぶりは、大勢のロシア国民に戦争を“自分事”と感じさせたはずだ。ウクライナメディアは、次のような軍の関係者の話を伝えている。
「ロシアの国土は広く、航空路線は必要不可欠だ。空港の混乱は、社会不安につながる」
「ロシア国民は戦争の代償を払う必要がある」



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