伊藤仁士容疑者と大阪市住吉区の女児の接点となった会員制交流サイト(SNS)。スマートフォンの所有率向上とともに、子供がインターネットを通じて顔の知らない人と会い、事件に巻き込まれるケースは後を絶たない。子供たちを守る手立てはあるのか。
■届いたダイレクトメール
「こんにちは」
捜査関係者らによると、11月10日ごろ、女児のスマホのツイッターに、見知らぬアカウントからのダイレクトメッセージが届いた。女児が呼び方を尋ねると、相手は「せつじろう」と名乗った。
年齢や住所を聞かれ、やり取りを続けているうちに「別の女の子の話し相手になってほしい」と自宅に誘われ、「近くていいところはない?」などと待ち合わせ場所や日時を尋ねられた。最初のやり取りから約1週間後、指定された自宅近くの公園で待っていたのが伊藤容疑者だった。
女児の母親は「子供のスマホはたびたびチェックしていたが…」と振り返る。犯罪に子供が巻き込まれないようにするにはどうすべきなのか。
■高い子供のスマホ所有率
近年キーワードになっているのが、子供のスマホのアプリ課金や、ゲーム時間などを管理できるようにするなどの「ペアレンタルコントロール」という取り組み。親が子供に持たせるスマホや携帯電話の設定で、アプリゲームの課金やアクセスできるサイトなどを制限して管理することを指し、携帯電話キャリアなどでさまざまなサービスがある。
親が子供にとって危険と判断するSNSは、利用できないようにすることも可能だ。ただ、親や携帯のキャリア会社などが危険と判断したサイトやSNSしか制限できず、限界もある。