大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は1日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演。政府備蓄米放出をめぐる小泉進次郎農相に対する野党側の質問内容について「何の質問をしているのか、良く分からない」と苦言を呈した。
橋下氏は「(一般競争)入札がだめなら、随意契約しかない。それなのに野党は随意契約のことをムニャムニャ言うだけ」と指摘。この日は、国民民主党の玉木雄一郎代表も出演していたが、橋下氏は「玉木さんをはじめ野党のみなさんは、小泉さんの政治家としての実行力を素直に評価した上で、議論をしなきゃいけないと思う」と述べた。
「小泉さんが旗を振って、備蓄米を2000円に落として、スピード感を出して放出して、実際にみんなが買い求めている。でも野党は、国民も立憲も維新もそうですが、そこを認めたくないから、うんじゃらかんじゃら、随意契約で適正価格がどうなんだとか、えさになるから安いんじゃないかとか、二重価格が解消されないとか、本当意味のない質問ばっかりやってしまった」と、先月末に衆参両院の農林水産委員会で行われた質疑を念頭に言及した。
「玉木さんも、小泉さんの実行力を素直に評価できないもんだから、えさになるものだから安いんでしょ?みたいな。あんな発言は僕は本当に残念だった」と振り返った。発言自体については「もう謝罪されたので、これは許されることだと思います」と述べた。
橋下氏は一方で、「小泉さんのやったことは評価しながら、随意契約にはいろんな問題点がある」とも指摘。「小泉さんはスピードにかじを切ったが、スピードと公平性はトレードオフ。スピードを重視すると公平性が害される」とした上で、「参加申し入れを行ったが除外されたとか、買い受けられなかったといろんな声が出ている。スピード重視で手探りでやっていることは分かりながらも、本当は、条件については『ブックビルド方式』とか、ちょっと、3日でも4日でも置いて、1万トンという条件は本当にいいのか。今、小さい米穀店の受け付けは終了になっている。先着順というのは、オークション理論からすると絶対にやってはいけない。一括抽選でやらないといけない」と、今回随意契約の際に決められた売り渡し条件をめぐり、私見を口にした。
その上で「小泉さんがスピード感をもってやっているけれど、こういう方法があるんじゃないですかということを提言していくのが、野党の役割だ」と、玉木氏に求めた。
これに対し、玉木氏は「小泉さんの対応については緊急事態ということで評価している」としながらも「政治家なので法律について、少し議論をしておく必要がある」と応じた。「今の法体系では、備蓄を出せる条件は、不足していることが明確に把握された時。でも、いまだに政府は不足していることを認めない」と主張。「有事の備えであるはずの備蓄米が、価格調整のものに変容していることは、もし(今回のようなケースを)やるのなら、きちんと法改正をして、価格調整手段として使うということを明記すべきだ。(前任の)江藤さんまではなかなか(実行が)難しかったのは、(備蓄米の放出を)渋っていたわけではない。既存の法体系の中でどう位置づけるかは、一定の整理が必要」とも訴えた。