田中真紀子元外相(81)が2日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金後1・55)にリモートで生出演し、政府備蓄米の放出を巡る政府の動きと農政について見解を語った。
コメ不足で価格の高止まりが続く中、小泉進次郎農相(44)はこれまで行ってきた備蓄米の入札を中止し、随意契約により安価なコメの放出を実施。5月31日から小売業者がネット販売などをスタートし、消費者には5キロ当たり2000円前後の安価なコメが届き始めた。
備蓄米が安く買えるようになったことに、田中氏は「今まで動かなかったものですから、動くのは大変良いことだと思います」と率直に評価した。一方で、「私がこれから申し上げたいことは、なぜこういうふうなことが起こっているのか。今までの“猫の目行政”全体について申し上げたい」と、猫の目のように方針が変わりやすいこれまでの行政の問題を前置きして述べた。
「今の備蓄米がなくなっているということ、これだけ報道されていますからね。安いなら買ってみようかなという消費者の気持ちなんでしょうけど、日本の食の安全保障ということをトータルで、もっと政府には考えていただきたいと思います」。小泉氏は備蓄米を無制限で放出することを掲げている。真紀子氏は、食料安全保障の観点から手放しで喜べない胸の内も明かした。
小泉氏の動きに対し、農水族の森山裕幹事長、野村哲郎元農相らが苦言を呈している。田中氏は「この大臣はこう言って、あなたはこう言った…そうじゃなくて、この内閣、“イシヤブレ”内閣、石破さんが何考えてるか分かりませんけど、そこのところですよ」と、“真紀子節”をまじえながら指摘していた。