もう国民民主党には投票しない──。こんな投稿がSNSでは非常に増えている。5月28日、国民民主党の玉木雄一郎代表は衆議院の農林水産委員会で備蓄米を「1年経ったら動物のエサになるようなもの」と発言した。たちまちXには《備蓄米しか買えない人は「動物」ですか? 》、《生産者に失礼だと思う》、《国民民主党のスローガンは「貧乏人は家畜のエサを食え」これで決まりですね》、といった批判が殺到した。(全2回の1回目)
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担当記者は「玉木氏は28日の夜、自身のXで“エサ発言”について《誤解があるようなので補足します》と釈明しましたが、これも逆効果でした」と言う。
「玉木さんの主張は主に2点。1点目は5年の保管期間を過ぎた備蓄米は『家畜のエサ=飼料用米』として放出されるという制度の説明。2点目は消費者にとっては《ササニシキやコシヒカリなどの値段がもっと手頃な水準になってほしいはず》が“エサ発言”の本意だったとの弁明です。しかし1点目は多くの消費者が報道などで理解しています。そもそも消費者は『生産者はエサにするつもりで作っていない』、『私たちは安いコメが必要だ。それをエサ呼ばわりはバカにしている』と怒っているわけです。2点目の弁明は消費者の批判に正面から答えていません。さらに炎上したのは当然でしょう」
ピントの外れた投稿は、その後もXで続いてしまう。とあるユーザーが「エサという言葉は誤解を招きやすい」と、どちらかといえば玉木氏を擁護するようなポストを投稿した。
ところが玉木氏は《農業関係者の間では、「飼料用米」は、ふつうに「エサ米」と言います》と返したのだ。
ピントの外れた返信
「玉木氏の発言を問題視している消費者は、『エサ米』という言葉が不正確だから怒っているわけではありません。なぜ消費者はコメ高騰に怒っているのか、玉木さんは分かっていないのではないでしょうか。消費者は税金と社会保障費の重い負担に苦しみ、いわゆる中流家庭からも悲鳴が上がっています。だからこそ玉木さんの『もっと手取りを増やす』というスローガンは広範な支持を得たのです。小泉進次郎・農水相が放出を決めた5キロ2000円台の備蓄米を、生活苦から歓迎する消費者は多い。ところが玉木さんは『お前たちが買いたがっているコメは家畜のエサだ』と言ったと捉えられてしまった。いくら備蓄米制度に関する事実関係や、『エサ米』という用語が正確だったとしても、消費者に批判されるのは当然でしょう」(同・記者)
実は玉木氏、旧民進党で農政改革研究会の座長を務めたことがある。2016年6月には日本農業新聞で『若手論客 農政討論』とのタイトルで小泉氏と農協改革などに関して激論を戦わせた。(註)
“エサ発言”が飛び出した農林水産委員会でも、玉木氏は最初に「数えたら54回目の質問になりました」と感慨深げな表情を浮かべ、「当選以来、ホームグラウンドとして所属してきました」と、農政に関する自負ものぞかせた。