一部のスーパーで、約2000円の備蓄米の販売が始まりました。
いよいよ消費者にとって身近な存在となりつつある備蓄米ですが、流通と販売にはリアルタイムで様々な課題が存在しています。
まずは備蓄米の種類と価格帯を知ろう
備蓄米は大きく4種類に分けられます。生産年と契約方法によって区分されています。2024年産と2023年産(古米)は、江藤前大臣が行っていた一般競争入札で契約されたもので、大手集荷業者に対して31万トンが放出されました。これらは銘柄米などとブレンドして5キロあたり3000円台で販売される予定です。
小泉新大臣は入札を行わない随意契約を導入。2022年産の古古米は大手スーパーに対して20万トン、5キロ約2000円で販売予定。2021年産の古古古米は中小スーパーや街の米穀店などに対して10万トン、5キロ約1800円で販売される予定です。
備蓄米はどの店で、いつごろ販売されるか
2万トンを契約しているイオン。店頭に並んだコメは、2022年産の古古米で、税込2138円で販売を開始しました。ただし初回は全国わずか4店舗での限定販売。その一つである「イオン大阪ドームシティ店」では、初回入荷分はすぐに売り切れ、次回入荷待ちとなっています。
「それだけ備蓄米を当てにしていたというか、必要としていた方が多かったんだな」と消費者の関心の高さが指摘されます。イオングループでは6月中旬以降、全店で販売が開始される予定です。
「てんやわんやでパンパン」課題は精米ひっ迫
備蓄米が消費者の手元に届くまでに時間がかかる主な理由に「精米」の問題があります。既に販売しているアイリスオーヤマは自社精米が可能で、イオンも通常取引のある業者に精米を依頼したため比較的早く商品化できました。
しかし、多くの小売業者は卸業者に精米を依頼しています。MBSが取材した精米を行う卸業者によると「もうてんやわんやで仕事がパンパン」という状況とのこと。備蓄米だけでなく、通常の銘柄米も担当しているため、業務が逼迫しているようです。
「信じられない量の依頼が来ているけれども、作業時間を増やして何とか対応しています」と業者は語りますが、対応しきれない問題も発生しています。