中居正広氏、フジテレビ第三者委に「再反論」で泥沼化 公の場での釈明求められるも…

フジテレビの女性アナウンサーとのトラブルをめぐる一連の問題で、芸能界引退を発表した元タレントの中居正広氏(52)。フジテレビが設置した第三者委員会に対して「再反論」の文書を公表し、事態はさらに複雑な様相を呈している。この問題は、第三者委員会が公表した調査報告書における「性暴力」認定を巡り、中居氏側と委員会側が異なる主張を繰り返しているものだ。

第三者委員会の報告と中居氏側の反論の応酬

第三者委員会は3月31日、’23年6月2日に発生した中居氏と元フジテレビ女性アナウンサーAとの間のトラブルに関する調査報告書を公表した。この報告書では、WHOの定義に基づき、当該トラブルを「業務の延長線上における性暴力だった」と認定した。

これに対し、報告から1ヶ月以上が経過した5月12日、中居氏の代理人弁護士らは文書で反論を行った。中居氏側は、性暴力という言葉から一般的に想起される「暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした」と主張。第三者委員会の調査報告書について、「中立性・公正性に欠け極めて大きな問題がある」と厳しく指摘した。さらに、中居氏の人権救済のため、調査報告書作成に用いられたヒアリング記録や性暴力認定の根拠となった証拠などの提示を求めた。

しかし、第三者委員会は5月22日、性暴力認定に至った経緯を説明した上で、「事実認定は適切だった」とする回答を公表し、中居氏側が要求した証拠の提示を拒否した。

これを受け、中居氏の弁護団は5月30日に改めて第三者委員会宛ての文書を公表した。その中で、改めて「本調査報告書作成のために用いられた一切のヒアリング記録及びその他の証拠、事実認定のために使用した資料の開示を求めます」と主張し、6月6日までに代理人事務所へ送付するよう要求するなど、「再反論」の姿勢を示した。

高まる「会見で説明すべき」の声

このように文書を通じて反論を重ねる中居氏に対し、世間やメディアからは「自らの言葉で説明すべきだ」という声が日増しに強まっている。

例えば、5月13日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)では、タレントのデーブ・スペクター氏(71)が言及。「ここまできたら、記者会見をやるしかないと思いますよ。正直に言いますと。やり方は置いておいて、必要ではないかと思います。このまま納得しないなら次のステップにいかないといけないし、第三者委員会が『あ、そうですか。そこ間違ってました』と言うわけもない」と、会見の必要性を指摘した。

また、元放送作家の長谷川良品氏は5月27日に自身のYouTubeチャンネルを更新し、中居氏に向けて語りかけた。「第三者委員会の事実認定に不満があるというのであれば、貴殿はなぜ公の場で会見を開き、自分の言葉で釈明しないのでしょうか?公共性の高い電波事業者であるテレビの恩恵を最も受けてきた、しかもトップタレントが会見を開き、正々堂々と反論しないのが不思議でなりません」と疑問を呈した。

加えて、X(旧ツイッター)上でも、「守秘義務解除で記者会見をやってよ」「中居本人が出てきて話せば良いこと」「早く自分で会見を開くのだ」といった、中居氏本人に会見を開くよう促す投稿が多く見られる。

ゲッソリとした様子の帰国時の中居正広氏ゲッソリとした様子の帰国時の中居正広氏

芸能関係者も、「これまで中居さんはトラブルに関して説明の場を設けていません。ファンや関係各所への詳細な説明はなく芸能界を引退したのちに、第三者委員会によってトラブルの詳細が明かされたという形です。『暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした』というのであれば、応援している人も含めて、本人の口から何があったのかを説明してほしい人たちは多いでしょう」と、本人の言葉を求める声が多い現状を解説する。

中居氏の「会見は絶対にしない」との姿勢

しかし、こうした周囲からの声とは裏腹に、中居氏本人は会見での釈明については否定的な考えを持っているようだ。本誌の取材に応じた中居氏の知人は、その内情を次のように語っている。

「一部で提唱されている”反論会見”については、『会見は絶対にしない』と断言していたそうです。神妙な顔で『次の次まで考えているよ……』と語っていたと聞いています」

文書での反論を続ける一方で、公の場での説明を求める声が高まるという、複雑な状況にある中居氏。彼自身の言葉でこの問題について語られる日は来るのだろうか、その行方に注目が集まっている。

参考文献