米軍事専門サイト「ミリタリー・ドット・コム」は3日、ヘグセス国防長官が海軍の給油艦「ハーベイ・ミルク」の名称変更を命じたと報じた。ハーベイ・ミルク(1978年に暗殺)は海軍の退役軍人で、同性愛者だと公表するなど性的少数者の権利擁護運動の草分け的存在だった。今回の名称変更は、トランプ政権によるDEI(多様性、公平性、包摂性)推進施策の廃止に向けた取り組みの一環だとみられる。
同サイトが入手した内部文書によると、新名称は6月13日にヘグセス氏が発表する予定だ。名称変更は、6月が性の多様性への理解を深める「プライド月間」であることも念頭に行われるという。
国防総省のパーネル報道官は3日、「ヘグセス長官は全ての国防総省の施設・資産の名称が、最高司令官の優先事項や我が国の歴史、兵士の精神を反映していることを保証すべく尽力している」とする声明を発表した。
ハーベイ・ミルクの氏名は、軍への入隊を希望する性的少数者に対する門戸を拡大する中で、2016年に艦名に採用されていた。
トランプ政権は出生時の性と自任する性が異なるトランスジェンダーの兵士を排除するなど、DEI重視の政策の見直しを進めている。【ワシントン金寿英】