美容外科医としてSNSやYouTubeで私生活から手術過程、さらには自身の出自まで赤裸々に公開してきた麻生泰氏(53)が率いる「麻生美容クリニックグループ」に対し、大阪国税局などによる税務調査が入り、2023年までの5年間で計約62億円もの申告漏れが指摘されていたことが明らかになりました。全国に100院以上を展開し、年間売上200億円を超える巨大グループに一体何があったのでしょうか。
SNSで自らの活動やライフスタイルを公開する美容外科医の麻生泰氏
麻生美容クリニックグループ、巨額申告漏れの内訳
今回の税務調査の対象となったのは、グループの基幹法人である大阪本社の「IDEA」を含む計7法人です。指摘された約62億円の申告漏れの内訳は多岐にわたります。まず、グループ内での医療機器などの取引価格を約47億円分も過大に計上していたことが判明。さらに、患者からの前受金約10億円を適切に計上していなかった事実も指摘されました。
加えて、IDEAによる売上記録の偽造で約3億円分が悪質な所得隠しと認定され、重加算税の対象となっています。また、グループ関係者が法人の資金を個人的な用途に流用したとされる約2億円の申告漏れも明らかになりました。これらの指摘を受け、追徴税額は過少申告加算税や重加算税を含め、合計で約12億円に上るとみられています。麻生美容クリニックグループは、2024年9月の税務調査に基づき修正申告を行い、2025年3月には追徴税額を納付し、すでに一連の対応を完了したと表明しています。
SNSでの豪遊生活と国税当局の視線
公衆の面前で「怖いものなし」とばかりに豪遊生活を披露してきた麻生氏の姿勢が、今回の税務調査の一因となった可能性も指摘されています。麻生氏はSNS上で、自身の所有するプライベートジェットや数億円とされるバイオリン、さらにはインフルエンサー「ガーシー」氏のBTS詐欺騒動に際して4000万円を援助したことなどを公然と発信していました。
国税庁OBの税理士は、「税務当局は告発案件以外にも、SNSなどで派手な生活をアピールする人物を特に注視する傾向がある」と語ります。今回の税務調査が大阪、東京、札幌など全国7カ所の国税局および国税事務所による異例の大規模なものだったことからも、当局の強い関心が伺えます。データ分析に加え、不透明な資金使途が認められたことが調査の決め手になったとみられ、特に麻生氏の息子の散財ぶりが「調査に入ってくださいと言わんばかりだった」との専門家の見解も示されています。
結論
今回の美容外科医・麻生泰氏グループにおける巨額の申告漏れは、著名な事業者の透明性とコンプライアンスの重要性を改めて浮き彫りにしました。SNSでの開放的な情報発信が世間の注目を集める一方で、それが国税当局の目に留まるきっかけとなり得ることも示唆しています。事業の規模が拡大するにつれ、会計処理の厳格化と倫理的な経営姿勢がより一層求められる時代と言えるでしょう。
参考文献
- 美容外科医・麻生泰氏のグループが62億円申告漏れ SNSで「怖いものなし」と豪遊生活を公開する有名医師に国税が目をつけたワケ – Yahoo!ニュース (デイリー新潮より)