郵便トラック許可取り消し、処分方針を通知 不適切点呼問題で国交省


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 日本郵便では各地の郵便局で、運転手の健康状態などを調べる法定の点呼が適切に行われていないことが発覚。国交省の各地方運輸局・支局は、トラックやバンなど一般貨物車を扱う郵便局を優先して立ち入り監査をしてきた。関係者によると、対象の全国119郵便局のうち70局以上が同法違反に当たると判断したという。

 違反した局では、飲酒の有無を確認していなかったり、点呼をしていないのに実施したかのように記録を偽造したりしていた。関東運輸局管内では、同法に基づく違反点数が、許可取り消しとなる基準を大幅に超えたという。

 国交省は5日の通知で、行政手続法に基づき、同社に弁明の機会を伝えた。近く正式に事業許可取り消しを決める方針で、不適切点呼の問題で初の処分となる。

 処分が下れば、日本郵便は5年間、事業としての一般貨物車の車検を得られず、約2500台あるトラックやバンが使えなくなる。同社は都市部の大規模局での荷物収集などにバンなどを使っており、許可取り消しで同業他社などに業務を委託する必要に迫られ、輸送能力に一定の影響が出るとみられる。

 軽トラックは許可制ではなく届け出制で、今回の処分の対象外となるが、国交省は「車両停止」処分とするべきかを検討している。

 日本郵便は4月、点呼の実施状況に関する全国調査の結果を公表。対象の3188郵便局のうち、75%にあたる2391局で不適切な点呼を確認した。

■日本郵便「存立に関わる重大な事案」

 日本郵便は5日、通知を受けて「極めて重大な法令違反と認識している。日々全国の公道を使用して、郵便・物流事業という社会的インフラを担っている運送事業者として、その存立にも関わる重大な事案であると受け止めている。厳しい行政処分で、極めて深刻な事態だと受け止めている。行政処分の内容及びお客さまや事業への影響等を精査し、具体的な対応について速やかに検討する」とするコメントを出した。(増山祐史)

朝日新聞社



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