小泉進次郎農水相主導「備蓄米放出」に波紋広がる 「二重取り」「選挙対策」批判も

小泉進次郎農林水産大臣の主導により、備蓄米の放出が大きく進められている。現在、全国の大手スーパーでは主に5キロ2000円前後で販売されており、情報番組では備蓄米購入のために行列を作る人々の様子や、早々に完売する状況が報じられ、注目を集めている。

備蓄米放出について説明する小泉進次郎農林水産大臣備蓄米放出について説明する小泉進次郎農林水産大臣

さらに5日からは、大手コンビニエンスストアのローソンとファミリーマートの一部店舗でも、2021年産の備蓄米、いわゆる「古古古米」の小分け販売が開始された。ローソンでは1キロあたり389円(税込み)、ファミリーマートでは388円(税込み)で提供されている。セブンイレブンも17日からの販売を発表しており、販売チャネルは拡大している。

「なぜ今まで出さなかった?」「二重取り」不満の声と政治家の批判

連日メディアで報じられ、おおむね好意的な論調が多い備蓄米放出だが、SNS上では「なぜ今まで備蓄米の放出をしなかったのか?」「選挙前のパフォーマンスにすぎないのでは」といった批判的な意見も多数見られる。

5月28日の国会審議では、国民民主党の玉木雄一郎代表が備蓄米について「1年たったら動物のエサになるようなもの」と発言し、波紋を呼んだ。翌29日には、立憲民主党の原口一博元総務相が自身のX(旧Twitter)で、「家畜用だろう? 古古古米。5kg83円のものが何故、2000円もするのか? 誰と随意契約したのか? 小泉米」と投稿し、政府の対応を厳しく批判した。

これらの政治家やメディアの報道を受け、国民からも「商品価値のない古い米に2000円?絶対買わない!みんな騙されないで!」「そもそも備蓄米って税金で購入したものじゃない?二重取りじゃん」といった不満の声が上がっている。

備蓄米問題を風刺した小泉進次郎氏の壁画アート備蓄米問題を風刺した小泉進次郎氏の壁画アート

本来、備蓄米は地震や災害、あるいは深刻な凶作による供給不足など、有事の際に国民への食料供給を確保するために保管されているものだ。今回、有事でも凶作でもない状況で備蓄米放出に至った政府の公式な理由は、「米の流通を円滑化させるため」、具体的には「消えたコメ問題」の解消にあるとされている。一部業者が米を高く売るために流通を滞らせた結果、市場での米の価格が例年よりも高騰しているとの政府の見方があるようだ。

備蓄米放出の背景と今後の行方

今回の備蓄米放出は、市場価格の高騰と流通の滞りという喫緊の課題に対応するための政策として打ち出された。しかし、その背景にある米の保管状態や放出価格、そして政策決定の透明性に対し、政治家や国民から厳しい目が向けられている。特に「古古古米」という呼称や、税金で購入したものが高値で販売されることへの疑問は根強く、今後の販売状況や政府の説明責任が問われることになるだろう。米の安定供給と適正価格の維持という目標に対し、今回の備蓄米放出がどのような効果をもたらすのか、引き続き注目が集まる。

出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/7c23ed0f53a88e8d0ad777173bd5fc2cd3c8525b