新型ダイハツ・ムーヴ徹底比較:フルモデルチェンジでスライドドア採用、軽ハイトワゴンの新基準へ

ダイハツを代表する軽ハイトワゴンの「ムーヴ」が、2025年についにフルモデルチェンジを果たし、7代目として登場しました。今回のモデルチェンジの最大の注目点は、多くのユーザーが待ち望んでいたスライドドアの採用です。これにより、従来のヒンジドアモデルから大きく進化し、ファミリー層をはじめとする幅広いユーザーにとって、より使い勝手の良いモデルへと変貌を遂げました。

新型ムーヴは、新開発のDNGAプラットフォームを採用し、デザイン、安全装備、そして走行性能のすべてが刷新されています。実用性と洗練されたデザイン、そして先進の安全技術を兼ね備えた新型ムーヴは、軽ハイトワゴンの新たな完成形と言えるでしょう。ここでは、旧型ムーヴと比較しながら、その魅力と進化のポイントを詳しく解説します。

デザイン:機能美と洗練を両立した新世代スタイル

[新型ダイハツ・ムーヴ徹底比較:フルモデルチェンジでスライドドア採用、軽ハイトワゴンの新基準へ

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  • alt:新型ダイハツムーヴの外観デザイン:直線基調の精悍なスタイル、スライドドア搭載

新型ムーヴの外観デザインは、直線的なラインを多用したシャープで精悍なスタイリングが特徴です。フロントマスクは、厚みを持たせたバンパーと切れ長のLEDヘッドランプの組み合わせにより、軽自動車の枠を超えた存在感と高級感を漂わせます。リアデザインも初代から受け継がれる縦型テールランプを採用するなど、細部にまでこだわった造形が見られます。

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  • alt:新型と旧型ダイハツムーヴの外観比較:デザイン進化、スライドドアの有無

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  • alt:旧型ダイハツムーヴカスタムの外観:マイナーチェンジ後のデザイン

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  • alt:ダイハツムーヴキャンバスの外観デザイン:新型ムーヴの姉妹車

内装も、水平基調のインパネデザインにより、広々とした視界と空間を演出しています。ピアノブラック調パネルやマット素材を組み合わせることで、旧型ムーヴのシンプルな内装と比べて、質感が格段に向上しました。

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  • alt:新型ダイハツムーヴの内装デザイン:水平基調のインパネ、質感向上

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  • alt:旧型ダイハツムーヴの内装:シンプルなデザイン

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  • alt:ダイハツムーヴキャンバスの内装:新型ムーヴとの比較

同じムーヴファミリーである「ムーヴキャンバス」と比較すると、新型ムーヴは明確に異なるキャラクターを持っています。ムーヴキャンバスがレトロで柔らかな親しみやすいデザインであるのに対し、新型ムーヴは未来志向で都会的な印象。ターゲット層に合わせたデザインの差別化が図られています。

サイズとパッケージング:スライドドア採用で実用性大幅向上

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  • alt:新型ダイハツムーヴの主要寸法表:ホイールベース、室内空間

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  • alt:旧型ダイハツムーヴの主要寸法表:新型との比較

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  • alt:ダイハツムーヴキャンバスの主要寸法表:新型ムーヴとの比較

新型ムーヴは、全長、全幅、全高、ホイールベースといった主要寸法がムーヴキャンバスと同一になっています。これらの寸法は旧型ムーヴよりもわずかに拡大されており、居住空間と走行安定性の向上に貢献しています。特に注目すべきは、旧型からわずか5mmのホイールベース延長にも関わらず、室内長が60mm、室内幅が15mmも拡大された点です。これにより、後席の足元や横方向のスペースに余裕が生まれ、大人4人乗車時でも快適性が高まっています。

新型ムーヴの最大のハイライトは、従来のヒンジドアに代わる両側スライドドアの採用です。これはムーヴキャンバスと同様の特徴ですが、この変更は、2019年に登場した4代目タント(LA650S/LA660S型)から導入されたDNGAプラットフォームをベースとしていることによるものです。新型ムーヴの型式番号がLA850S/LA860Sと、現行の2代目ムーヴキャンバスと同一であることからも、新型ムーヴが実質的にムーヴキャンバスの姉妹車であることが分かります。これにより、ファミリー層にとって非常に魅力的な実用性を手に入れました。

狭い駐車場での乗り降りや、チャイルドシートへの子供の乗せ降ろしなど、日常生活におけるスライドドアの利便性は計り知れません。ムーヴキャンバスも同様の利便性を持ちますが、キャンバスがデザインや「かわいさ」を前面に出しているのに対し、新型ムーヴはより幅広い層に向けた「家族の主力車」としての機能性と汎用性に重点を置いていると言えます。単なるモデルチェンジに留まらず、ムーヴが長年培ってきたパッケージングの思想を超え、「生活そのものを支えるクルマ」としての方向へ大きくシフトしたのが、今回の新型ムーヴなのです。

パワートレインと走行性能:D-CVT+DNGAで快適かつ俊敏な走り

新型ムーヴに搭載されるエンジンは、自然吸気仕様の658cc直列3気筒KF型エンジンです。最高出力52ps、最大トルク60Nmを発揮するこのエンジンは、基本的には旧型と同系統ですが、2019年から採用されている第4世代版へと進化しています。吸排気系の見直しや制御最適化により、スムーズな加速と優れた静粛性を実現。さらに、世界初の半球型燃焼室や、日本初となるマルチスパーク(複数回点火)技術を採用するなど、燃焼効率と性能が向上しています。

トランスミッションには、ダイハツ独自のD-CVT(デュアルモードCVT)を採用。ベルト駆動とギア駆動を組み合わせたこの機構は、発進・中速域での力強いトルク感と高速域での燃費効率を両立させ、CVT特有のラバーバンドフィールを低減しています。新型ムーヴと同じパワートレイン構成のムーヴキャンバスや旧型ムーヴとの試乗比較から、特に坂道発進や合流時のアクセル応答性が旧型より俊敏になっていることが予想されます。

さらに、新型はDNGAプラットフォームを採用することで、車体剛性や足回りの剛性が向上。重量配分や重心位置も最適化されています。これにより、街中では軽快なステアフィールと取り回しの良さ、郊外や高速道路では優れた直進安定性と快適な乗り心地を体感できるでしょう。旧型ムーヴもKF型エンジンを搭載していましたが、エンジン、CVTともに旧世代であり、加速フィール、静粛性、燃費性能で新型に一歩譲ります。ムーヴキャンバスも同じエンジン・D-CVTですが、新型ムーヴは車両重量がやや軽い分、よりキビキビとした軽快な走りが期待できます。

安全装備:軽自動車トップクラスの先進機能

安全装備においても、新型ムーヴは充実しています。全車に標準装備される先進安全システム「スマートアシスト」は、衝突回避支援ブレーキ、誤発進抑制機能、車線逸脱抑制機能に加え、渋滞時にも対応する全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールまで搭載。軽自動車としてはトップクラスの先進性を誇ります。

旧型ムーヴにも後期モデルには「スマートアシストIII」が搭載されていましたが、機能の範囲や精度は新型が大きく上回ります。ムーヴキャンバスも同様の装備を持ちますが、新型ムーヴではさらに制御のきめ細かさや制動性能に磨きがかけられていると考えられます。

コストパフォーマンス:高価格に見合う高い価値

新型ムーヴの車両価格は135.85万円から202.4万円(消費税込み)となっており、旧型ムーヴや他の軽自動車と比較すると、やや高めの設定に見えるかもしれません。しかし、両側スライドドア、上質な内装、DNGAによる優れた走行性能、そして軽自動車トップクラスの先進安全装備をすべて備えている点を考慮すれば、価格に見合う、あるいはそれ以上の高い価値があると言えます。特に子育て世代や、通勤・買い物で日常的にクルマを使用する方にとって、快適で安全な移動手段として、新型ムーヴは有力な購入候補となるでしょう。

総括:ムーヴは「実用の道具」から「上質な移動空間」へ

7代目へと進化した新型ムーヴは、単なるフルモデルチェンジではありません。パッケージング、安全性、走行性能、デザインのあらゆる面で現代のニーズに応え、「実用の道具」という枠を超え、まさに「上質な移動空間」へと生まれ変わった一台と言えるでしょう。

その開発背景を共有するムーヴキャンバスが、「かわいらしさと便利さ」を追求したモデルであるならば、新型ムーヴは「端正さと知性」を体現した正統派モデルです。日々の生活の足としてだけでなく、移動時間に心地よさや満足感を求めるならば、この新型ムーヴは今、選ぶべき軽自動車の一台に加える価値があるでしょう。


参照元:https://news.yahoo.co.jp/articles/2cb28403a2f35374378e6cc098c953b5a958819f