原口議員「備蓄米は家畜用」発言に再び波紋 小泉農相は追加放出、食料安保巡る議論深まる

立憲民主党の原口一博衆議院議員が、政府の備蓄米について度重なる不適切とも取れる発言を行い、党内外で波紋を広げている。SNSでの「家畜用」投稿で党執行部から注意を受けたにもかかわらず、6月7日に佐賀で開かれた会合で、再び備蓄米(古古古米)が主に家畜に消費され「人間様、食べていない」と発言。これが改めて注目を集めている。この発言は、国民民主党の玉木雄一郎代表が過去に同様の趣旨の発言で謝罪に至った経緯と重なる構図であり、野党議員による米政策に関する発言の難しさを示している。

立憲民主党の原口一博衆院議員の肖像写真 備蓄米発言で波紋立憲民主党の原口一博衆院議員の肖像写真 備蓄米発言で波紋

原口議員の発言と広がる批判

原口氏の「人間様、食べていない」という発言に対し、インターネット上では厳しい批判の声が多く見られる。「安価な米を国民が食する手段を提示せず、単に批判するだけであれば誰でもできる」「古古米を仕入れた業者、販売店、購入した日本市民に対して馬鹿にした愚弄したような発言するような日本国議員は不要」「『人間様』ってどんだけ思い上がってんだよ」といった意見が寄せられている。一方で、「原口さんは国民の代弁者となって怒りを伝えてくれている」と擁護する声もあり、賛否が分かれている状況だ。一連の発言は、国民の食料や生産者への敬意を欠いているとの指摘がある。

小泉農水大臣の対応と備蓄米追加放出

こうした原口氏の発言に対し、小泉進次郎農林水産大臣は6月10日、「『人が食べているものではない』というご指摘は、備蓄米制度運用の趣旨や実態とは異なり、大変遺憾だと思っている」と述べ、不快感を示した。

同日、小泉農相は政府が保管する備蓄米の中から新たに20万トンを追加で市場に放出すると発表した。これは、国内外の物価高騰により国民の家計負担が増加している状況を踏まえ、消費者に安価な米を提供することを目的としている。追加放出の受付は6月11日から開始され、主に2021年産以降の備蓄米が対象となる。申請量の上限は設けない方針で、店頭価格は5キロあたり1,700円程度になる見込みだとされた。

備蓄米放出に対する様々な声

しかし、この備蓄米の追加放出についても、農業関係者や食料安全保障に関心のある層からは異議を唱える声があがっている。「輸入米に早く着手したいの見え見え」「残念ながら、小泉農相には、食料安全保障という観点はない様です」「輸入米やる日本はもう日本として終わってる」といった批判があり、政府の米政策の方向性に対する懸念が示されている。「やらなくても批判を受ける」という状況の中で決断した小泉農水相も、難しい立場に立たされている。

社会部記者によると、小泉農相の備蓄米追加放出の決断は、家計負担軽減という国民生活への配慮が主眼にあると分析されている。それだけに、そうした政府の積極的な対応に対し、水を差すような原口氏の発言は小泉農相にとっても遺憾であった可能性が高い。たとえ事実を指摘したつもりでも、問題提起の仕方や言葉遣いにはより注意が必要だったと言える。

参議院選挙を控えるこの時期に、野党議員から相次ぐこうした失言は、野党全体の信頼性にも影響を与えかねない重要な局面となっている。食料安全保障や農業政策に関する議論は深まる一方、発言には国民への十分な配慮が求められている。

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