佳子さまの「赤ワンピース」が示す、日本のファッションと“佳子さま売れ”現象

8月31日、東京・有楽町ホールで開催された「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に、秋篠宮家の次女である佳子さまがご出席されました。この日、ひときわ目を引く鮮やかな真紅のワンピースをお召しになり、開会式では「皆様一人一人がこれまで積み重ねてきた努力の成果を存分に発揮できるよう応援しています」と、手話で心のこもったエールを送られました。この佳子さまのファッションは、単なる装いを超え、日本のファッション業界、特に国産ブランドへの注目と「佳子さま売れ」と呼ばれる経済効果を生み出しています。

頻繁にご着用される「お気に入り」の真紅のワンピース

コンテストにご出席された佳子さまがお召しになっていたのは、「マーリエ・ル・カセット(Maglie le cassetto)」の真紅のワンピースです。ファッション編集者の軍地彩弓さんによると、価格は税込4万6200円。このヴィヴィッドな赤のワンピースはセーラーカラーのデザインで、首元をすっきりと見せる効果があります。特筆すべきは、佳子さまがこのワンピースを非常に気に入られているご様子で、過去1年間のご公務において、昨年10月の「国民スポーツ大会」での佐賀県ご訪問時や、今年6月のブラジルご訪問時にも着用されている点が挙げられます。同じ洋服を繰り返しご着用になることから、佳子さまにとって特別な1枚であることがうかがえます。

第42回全国高校生の手話スピーチコンテストで、真紅のワンピースを着用し手話でエールを送る佳子さま第42回全国高校生の手話スピーチコンテストで、真紅のワンピースを着用し手話でエールを送る佳子さま

「メイド・イン・ジャパン」へのこだわりと“佳子さま売れ”現象

佳子さまが今回お召しになった「マーリエ・ル・カセット」は、日本の老舗アパレルメーカーであるフランドル(FLANDRE)が展開するブランドの一つです。フランドルは「イネド(INED)」や「ル・スーク(Le souk)」など、特にOL層に人気の高いブランドを多数手掛けており、以前から「メイド・イン・ジャパン」にこだわったものづくりを続けている企業として知られています。「マーリエ・ル・カセット」は「one’s best」をコンセプトに掲げ、甘すぎない上品で洗練されたスタイルを提案しており、日常使いや着回しのしやすさが特徴です。

最近の佳子さまのご公務におけるファッションは、日本製の洋服やアクセサリーを選ばれる傾向が顕著です。例えば、今年6月のブラジルご訪問で注目を集めた椿色のワンピースも、神戸発のブランド「Viaggio Blu(ビアッジョ・ブルー)」の商品でした。このような佳子さまのご選択は、「佳子さま売れ」と呼ばれる現象を引き起こし、国内のアパレルメーカーに大きな活力を与えています。日本産アパレルの流通比率が減少傾向にある中、佳子さまのご着用は、メーカーにとって勇気づけられると共に、実際の売上にも大きく貢献していることは非常に歓迎されるべきことです。実際、「マーリエ・ル・カセット」の公式サイトでは、この真紅のワンピースが佳子さまのご着用により一時的に完売しましたが、その人気に応える形で、2025年新作同型ワンピースとしてこの秋に復刻版の発売が決定しています。

結びに

佳子さまのファッションは、単なる流行や個人の趣向に留まらず、日本の国産ブランドを支援し、国内産業に経済的な貢献をもたらすという重要な側面を持っています。手話スピーチコンテストでの若者への温かい励ましと共に、国産の「マーリエ・ル・カセット」のワンピースを選ばれたことは、日本の文化や産業に対する深い配慮と愛情が感じられます。今後も、公務における佳子さまのファッションから、日本の美意識や社会へのメッセージがどのように発信されていくのか、その動向に注目が集まります。

参考文献