JR東日本は6月10日、常磐線などで使用されるE657系電車を改造した新たな夜行特急列車を、2027年春に導入すると発表しました。この列車は10両編成で、全席が個室タイプのグリーン車指定席となります。
車両概要と外観デザイン
ベースとなるのは、特急「ひたち」や「ときわ」として活躍するE657系電車です。10両編成に改造され、全席が個室タイプのグリーン車指定席となります。
外観デザインは、JR東日本建築設計が担当しました。夜行列車の伝統と新しい時代の旅立ちを表現するため、車両全体を2色の青で包み込むカラーリングが施されます。1号車側は、ブルートレインの記憶を受け継ぐ明るい「メモリアルブルー」、10号車側は夜明けへと向かう時の流れを象徴する濃紺「ミッドナイトホライズン」です。これらをつなぐ白いラインは、夜明け前の一瞬の輝き「ブルーモーメント」を描き出し、JR東日本の意志を表現しています。
JR東日本が導入する新たな夜行特急列車(E657系改造)の外観イメージ。ブルートレインの記憶を受け継ぐ青と夜明け前の濃紺が表現されている。
プライベート空間と客室設備
車内空間は「シンプルでありながら上質な移動空間」をコンセプトとし、全席がプライベートスペースを確保した個室タイプのグリーン車指定席です。ゆったりと過ごせる通常の「グリーン個室」と、より広い「プレミアムグリーン個室」が用意されます。
プレミアムグリーン個室
1人用と2人用が設定されます。靴を脱いで過ごせる空間にL字型ソファを配置。座面を組み替えることで、リラックス姿勢からフルフラットのベッドスタイルまで自在にアレンジ可能です。
グリーン個室
1人用、2人用、そして4人用が設定されます。1・2人用は座席スタイルとフルフラットスタイルを転換できる仕様。4人用は常時フルフラットで、小さなお子様連れでも安心して利用できます。
その他の設備と定員
車内唯一のオープンスペースとしてラウンジスペースを設置。開放的で落ち着きのある空間となる予定です。その他の設備として、簡単な物品販売を行う販売スペースや、車いす対応の1・2人用グリーン個室も設けられます。座席定員は合計120人程度です。
運行計画
新たな夜行特急列車は、2027年春からの運転開始を予定しています。現在の計画では、首都圏エリア~北東北エリアでの運転が中心となる見込みです。運行エリア、運行ダイヤ、利用料金、列車名称などの詳細は、今後改めて発表されます。
JR東日本が発表した新たな夜行特急列車は、E657系をベースとした全席個室グリーン車という仕様で、快適性とプライバシーを重視する現代のニーズに応えるものです。2027年春のデビューに向け、今後発表される運行区間や料金、列車名などに注目が集まります。この列車が、首都圏と北東北を結ぶ新たな交流や観光の促進に貢献することが期待されます。
情報源:JR東日本 発表資料、各種報道