【AFP=時事】トゥルシ・ギャバード米国家情報長官は10日、広島を訪問したことを明かし、「戦争屋」たちが世界を核戦争の瀬戸際に追い込んでいると警告した。
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ギャバード氏は具体的に何を懸念しているのかを明らかにしなかったが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナを支援する欧米諸国に警告を発する中で、核戦争の脅威を繰り返しちらつかせている。
元下院議員で、過去にロシアに対する見解を批判されたこともあるギャバード氏は、世界初の核攻撃の残酷な映像と、広島平和記念資料館で物思いにふける自身の姿を映した動画を投稿した。
ギャバード氏は「広島に甚大な破壊をもたらしたあの1発の爆弾(の威力)は、今の核爆弾に比べれば取るに足らないものだ」「今の核兵器はたった1発でも、ほんの数分で数百万人の命を奪う可能性がある」と主張。
「きょう、私たち(人類)がかつてない核による絶滅の瀬戸際に立たされる中、政治エリートや戦争屋たちは、核保有国間の恐怖と緊張を軽々しくあおっている」「おそらく、自分と家族は、一般人が利用できない核シェルターを利用できると確信しているからそうしているのだろう」と続けた。
ギャバード氏は、国家情報長官というよりは活動家にふさわしい口調で、「だからこそ、私たち国民が声を上げ、この狂気に終止符を打つよう要求しなければならない」と述べた。
ギャバード氏の広島訪問は、世界で唯一の戦争被爆国である日本への原爆投下から80年の節目の年に行われた。
1945年8月6日、米国は広島にウラン原爆を投下して壊滅的な被害をもたらした。爆発と被爆の影響で同年末までに14万人が死亡した。
米国はその3日後、長崎にプルトニウム原爆を投下。同年末までに、約7万4000人が死亡した。
米国は広島・長崎への原爆投下について、一度たりとも謝罪していない。【翻訳編集】 AFPBB News