ゆにばーす川瀬名人、オンカジ復帰芸人への歓迎ムードに複雑な胸中吐露

お笑いコンビ「ゆにばーす」の川瀬名人(40)が先日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、オンラインカジノに関与して活動を自粛していた芸人たちの復帰に対する世間の歓迎ムードに複雑な思いを吐露した。吉本興業所属タレントを巡る一連の騒動は、日本のエンターテインメント業界におけるコンプライアンスと、不祥事後の社会的な受容について議論を呼んでいる。

オンラインカジノ問題の経緯と芸人たちの復帰

この問題では、吉本興業の複数の所属タレントがオンラインカジノを利用していたことが明らかになり、活動自粛を余儀なくされた。東京簡易裁判所は6月2日までに、賭博罪で略式起訴された6人に対し、5月22日から29日付でそれぞれ罰金10万円の略式命令を出した。この法的措置を受け、複数の芸人が活動再開を発表した。6月8日には、「9番街レトロ」のなかむら★しゅん(31)や、「ダンビラムーチョ」の大原優一(35)らが、自身のSNSを通じて謝罪の意を示すと共に、今後の活動を再開することを表明した。

川瀬名人の一貫した相方への気遣い

川瀬名人は、オンラインカジノ騒動で一部の芸人が劇場出演を見合わせ始めた当初から、彼らの相方を気遣う姿勢を見せていた。彼は自身のXで、「ダンビラムーチョ原田くんとネイチャーバーガー三浦くんはしばらく自分の主催ではレギュラーとします。あまりに不憫です」と投稿。休業した芸人のパートナーが置かれる状況を案じ、自身のライブやイベントに積極的にオファーすることを宣言していた。

歓迎ムードと地道な活動への注目の差

今回の投稿で川瀬名人は、復帰した芸人たちを囲む歓迎ムードと、騒動に関わらず日夜黙々と劇場に立ち続けていた芸人たちへの注目の差に言及した。彼は率直に「オンカジ野郎どもがこんな歓迎ムードで 黙々と劇場に立ってた芸人は無風 この現象をなんと呼べばいい」と疑問を投げかけた。続けて「みなさん復帰おめでとう」と皮肉を交えながら“祝福コメント”を付け足した。しかし、その後の投稿ではさらに複雑な胸中を明かしている。

「本当の自粛」への疑問と自身の葛藤

川瀬名人は、前の投稿から一転して「冷静に考えたらムカついてきたな 本当に自粛してたのか問い詰めるライブやろう」と苛立ちを見せた。彼は、自粛期間中にパチンコ、キャンプ、風俗、グランピングサウナなどのレジャーを楽しんでいた可能性があるにも関わらず歓迎されている復帰組と、ゴールデンウィーク中も1円パチンコ以外はせず馬鹿みたいに働き、一度も歓迎ムードを経験したことのない自分を対比させ、「自分は何なんや」と不公平感を露わにボヤいた。これは、自粛という行為の実態と、それに対する世間や業界内の反応への彼の疑問を示している。

オンラインカジノ問題について発言した、お笑いコンビ「ゆにばーす」の川瀬名人(2018年撮影)オンラインカジノ問題について発言した、お笑いコンビ「ゆにばーす」の川瀬名人(2018年撮影)

脳梗塞からの復帰を願う千葉ゴウへのエール

一方で川瀬名人は、不祥事とは全く異なる理由で休養している芸人への温かいエールを送った。彼は「頼むから現在脳梗塞明けで休養中の千葉ゴウが復帰した時は死ぬほど歓迎してやってください」と、「入間国際宣言」の千葉ゴウへの熱烈な応援を呼びかけた。千葉ゴウは脳梗塞で入院し、現在復帰に向けて療養中である。川瀬名人は千葉ゴウについて、「死ぬほど下品でマナー悪いけど法律は守ってる奴なので」と、彼の人間性をユーモラスに表現しつつ、法を犯していない真面目な人間である点を強調した。これは、スキャンダルからの復帰と、病気や怪我からの復帰に対する社会の反応の違いを対比させ、真に労われるべき対象への配慮を訴えるものと言える。

川瀬名人のプロフィール

川瀬名人は、東京NSC(吉本総合芸能学院)で同期のはら(35)と2013年にお笑いコンビ「ゆにばーす」を結成した。独特な視点と論理的な漫才スタイルで知られ、「M-1グランプリ」では2017年、2018年、2021年と過去3度決勝に進出している。劇場を中心に精力的に活動しており、SNSでの発言も注目を集めることが多い。

まとめ

今回のゆにばーす川瀬名人の一連の投稿は、オンラインカジノ問題に関わった芸人たちの復帰というタイムリーな話題に対し、正直かつ複雑な思いを表明したものだ。不祥事からの復帰に対する世間の「歓迎ムード」と、地道に活動を続ける芸人への注目の差、そして病気からの復帰に対する温かい声援の必要性など、お笑い界や社会が向き合うべき複数の側面を浮き彫りにしたと言えるだろう。今後、復帰した芸人たちの活動はもちろんのこと、こうした現場からの率直な声にも引き続き注目が集まることが予想される。

参考資料

  • Yahoo!ニュース (日刊スポーツ)