山尾志桜里氏、公認取り消しに激怒 玉木代表との「盟友」関係決裂へ 国民民主党

国民民主党からの次期衆院選への擁立が報じられてから約1カ月、山尾志桜里氏は党による公認内定取り消しを受け、激しい怒りを周囲にぶちまけているという。「そもそも私から出たいと言ったわけではない。玉木(雄一郎)さんから誘われたから出馬を決意したのに、あんまりじゃないか」と関係者に語る山尾氏。記者会見を早期に開きたかったにも関わらず、玉木代表に「待て、待て」と言われるがまま従ってきた末の“裏切り”に、かつて“不倫コンビ”と揶揄された二人の盟友関係は完全に決裂した模様だ。

公認取り消しの経緯と「山尾ショック」

「もし仮に党の方で取り下げの決断をされたときはどう対応されますか」。2時間半に及んだ6月10日の釈明会見終盤、記者からの問いに対し、山尾氏は口ごもりながら「うーん、ちょっとすみません、あまりそういうことを想定していないので…。すみません、想定しておりません!」と答えた。しかし、この「想定外の事態」は翌日には現実となった。

国民民主党は11日午後、両院議員総会で山尾氏の次期衆院選における公認内定を取り消すことを発表した。前日の会見で山尾氏が8年前の不倫スキャンダルについて全く説明責任を果たそうとしなかったことに、世論からの厳しい批判と党への非難が殺到。これ以上「山尾ショック」という逆風を引きずったままでは、迫りくる東京都議会議員選挙や参議院議員選挙を戦えないと党が判断した結果である。

国民民主党の山尾志桜里氏と玉木雄一郎代表国民民主党の山尾志桜里氏と玉木雄一郎代表

玉木代表の苦渋の決断と山尾氏の激昂

同日夜、記者団のぶら下がりに応じた玉木代表は、「色々な過去は誰にもあります。そんな中で常に挑戦できる再チャレンジを用意することは政治の仕事だと思います。ただ、今回は理解と信頼を得られなかったと認識しています」と述べ、山尾氏を一定程度擁護しつつも、党としてやむを得ない判断であったことを強調した。

山尾氏本人の反応を問われると、「事前に本人には伝えています。反応は相手のあることなので控えたい」と言葉を濁した玉木代表。これは無理もないことだった。冒頭で述べた通り、山尾氏は党の決定に全く納得しておらず、むしろ玉木代表に対して激しく怒っているというのだ。

会見を巡る党との確執、そして準備の無駄

国民民主党の関係者は、内情をこう明かす。「記者会見を開かずに世間から逃げ続けていると山尾さんは批判され続けましたが、本当はもっと前から会見を開きたがっていたのです。それを『待ってくれ』と引き止めていたのは玉木氏でした」。玉木代表が6月3日の定例会見で山尾氏について問われ、「会見をするべき」と発言した後も、山尾氏への“待て”の指示は続いたという。

痺れを切らした山尾氏は、最終的には党の許可なしに自分で会見場所を確保し、強行開催する構えまで見せていたとされる。なぜ玉木代表は山尾氏に会見を「待て」と言い続けたのか。関係者は「もう山尾さんを公認したままでは選挙を戦えない、どこかのタイミングで公認を撤回せざるを得ないと考えていたからでしょう。その時期を見計らっていたのだと思います」と推測する。

過去の山尾志桜里氏 “美魔女”と呼ばれた頃過去の山尾志桜里氏 “美魔女”と呼ばれた頃

しかし、山尾氏からすれば、「だったらもっと早く言ってほしかった」というのが本音だ。「事務所開きをして、玉木さんと並んだ写真を貼った選挙カーまで用意し、ポスターやチラシも作った後で、いま公認を取り消すというのは筋が通らない」と、多大な準備と費用が無駄になったことへの不満も募らせているという。党の判断は都議選・参院選への影響を最小限に抑えるためだったが、山尾氏との関係は完全に修復不可能な段階に至ったと言えるだろう。

結論

国民民主党による山尾志桜里氏の衆院選公認内定取り消しは、過去の不倫問題に対する釈明不足による世論の批判と、来る選挙への影響を懸念した党の判断によるものである。この決定に対し、山尾氏は強く反発しており、特に自身を擁立に誘ったとされる玉木代表への不信感を募らせている。会見時期を巡る確執も明らかになり、かつて近しい関係にあったとされる二人の間には深い亀裂が生じた。今回の事態は、国民民主党にとって今後の党運営や選挙戦略において新たな課題を突きつけるものとなるだろう。

Source link