俳優・劇作家の斎藤歩さん死去 60歳 北海道演劇財団理事長

俳優、劇作家、演出家として活躍した斎藤歩(さいとう・あゆむ)さんが、60歳で亡くなったことが明らかになりました。公益財団法人北海道演劇財団が6月12日までに公式サイトで斎藤歩さんの訃報を伝えました。かねてより病気療養中だったとのことです。

財団の発表によると、斎藤歩さんは6月11日早朝に永眠されたとのことです。「ここに生前のご厚意に深く感謝申し上げます」と記されています。葬儀については、故人の遺志により家族葬として執り行われました。通夜、告別式への参列、香典、供花、供物、弔電などの厚志は辞退するとしています。後日、お別れの会を開催する予定があることも併せて伝えられました。

俳優・劇作家 斎藤歩さんの写真。訃報が発表された俳優・劇作家 斎藤歩さんの写真。訃報が発表された

斎藤歩さんの経歴と活動

1964年12月20日、北海道に生まれた斎藤歩さんは、北海道大学演劇研究会出身者を中心に1987年に結成された「札幌ロマンチカシアターほうぼう舎」を旗揚げし、座長を務めました。2000年代からは活動拠点を東京と北海道の2カ所に移し、精力的に活動を続けました。劇作家、演出家として多くの舞台を手がける一方、俳優としても映画やテレビドラマなど、幅広いジャンルの作品に出演しました。

特に、2020年には北海道演劇財団の理事長に就任し、北海道の演劇界の振興にも尽力しました。

近年の病状と俳優活動

斎藤さんは近年、がんを公表していました。2023年1月には余命宣告を受けたことを明らかにしましたが、その後も俳優としての活動を継続する強い意志を示していました。その闘病と活動の様子は、今年2月にテレビ朝日系のドキュメンタリー番組「テレメンタリー」でも取り上げられ、多くの人々に感動を与えました。

主な出演作品

俳優・斎藤歩さんとして出演した作品は多岐にわたります。崔洋一監督や三池崇史監督作品のほか、北野武監督の「アウトレイジビヨンド」、白石和彌監督の「日本で一番悪い奴ら」、李相日監督の「許されざる者」、マーティン・スコセッシ監督の「沈黙-サイレンス-」、本木克英監督の「空飛ぶタイヤ」など、著名な監督の話題作に出演し、存在感を発揮しました。

テレビドラマでは、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」や「エール」、NHK大河ドラマ「龍馬伝」などに出演。アニメーション映画では、細田守監督の「サマーウォーズ」で陣内侘助の声優を務め、その独特の演技で作品に深みを与えました。

斎藤歩さんの死去は、日本の演劇界、映像界にとって大きな損失です。演劇の分野だけでなく、数々の映画やテレビドラマ、アニメーション作品で彼が演じた役柄は、多くの人々の記憶に残っています。謹んでお悔やみ申し上げます。

参照元

https://news.yahoo.co.jp/articles/b079ec9c95cf29a93536645d4f4793ad796ac551