中沢元紀「あんぱん」北村匠海との15分超シーン裏側 小栗旬も現場訪問

俳優の中沢元紀が13日、NHK総合「あさイチ」に生出演。出演中の連続テレビ小説「あんぱん」にて、北村匠海演じる柳井嵩と中沢演じる柳井千尋が思いをぶつけ合う第54話のシーンの裏話を明かした。

北村匠海が明かした緊迫の長回し

北村匠海はVTR出演し、このシーンを「やっぱりしびれましたね」と振り返った。15分以上にも及んだ長回しでの撮影について、「編集でどうするんだろう?と思うくらいお互いの間だったり千尋がこぼす感情だったり、一瞬も見逃せないシーンだった」とその集中度を語った。

撮影後の中沢の様子について、「多分自分の中での100点じゃなかった。役者はよくあるんですけど」と悔しそうにしていたと明かし、その「ごちゃまぜさだったり複雑な感情」がかえって良かったと評価。また、テストでは大泣きしていた中沢が、本番では涙をグッと抑制する演技に変わった点を「すごい良かった」と絶賛した。

中沢元紀が語る演技の変化と葛藤

北村のコメントを受け、中沢は「台本読んでいる時から(涙腺に)来ていて、テストの時は本当にボロボロ泣いちゃってた」と明かした。本番での変化については、「何か自分の中で変わったものがあって」とし、「兄弟として会っていたのであれば泣いたかもしれないが、軍人としてという意識が強いと泣かなかったのかな」と、役柄としての関係性から生まれた変化だと説明した。

自身の演技への悔しさについては、「どのお芝居も満足することはない。満足したら終わり」だと述べ、その迷いや葛藤が逆に良かったのかもしれないと語った。「まだまだできたんじゃないかっていう思いもありました」と謙虚な姿勢を見せつつ、長ゼリフの台本に驚きながらも「本当にワクワクした。ここのシーンのためにオーディションもあっただろうし、ここに向けて逆算してお芝居を作っていけた」と、この場面への強い思い入れを語った。

事務所代表・小栗旬の来訪

さらに、所属事務所「トライストーン」の代表である小栗旬が現場を訪れたという裏話も明かされた。中沢は「セットの2階から降りてきて、モニターの前に人が集まっているなと思って見たら、小栗さんが仁王立ちで立っていて」と、撮影途中で気づいたと回顧。「ものすごいオーラがあった」「事務所の大先輩が見に来てくださって」と感謝を伝えた。小栗の存在に気づいた後の演技について、「匠海さんとも『やばいね!』となったけど、逆に『見ているからいいところ見せよう』とポジティブに、やってやるぞという気持ちでお芝居しました」と、プレッシャーを力に変えた瞬間を語った。小栗からは撮影後に「すごい良かったよ」と声をかけられたという。

あんぱん撮影現場を訪問した俳優・小栗旬あんぱん撮影現場を訪問した俳優・小栗旬

「あんぱん」公式SNSでも撮影秘話

連続テレビ小説「あんぱん」の公式Instagramでもこのシーンに触れられており、「実際に15分以上長回しで撮影されていました」と裏話が明かされた。また、「『涙は流さないけれど、嵩の前では思いがあふれてしまう千尋がすてきだった』と北村さん」という、北村による中沢演じる千尋への賛辞も紹介された。

中沢元紀が「あさイチ」で語った「あんぱん」での重要なシーンの裏側は、俳優たちの役への深い理解と、それを支える現場の熱、そして先輩からの激励が凝縮されたエピソードだった。北村匠海との緊迫した長回し、自身の中に生まれた演技の変化、そして小栗旬の突然の来訪は、この物語の核となる場面に深みを与えたと言えるだろう。

情報源

NHK「あさイチ」、連続テレビ小説「あんぱん」公式Instagram、モデルプレス